この数年、イタリアの各地ではショッピングセンターがキノコのようにできています。中でも、ミラノの郊外に出来た2ヵ所は見ごたえがあります。今回はフードコートで販売している「海苔巻き」などをご紹介します。

フードコートはファストフード店の激戦区？

ミラノからコモ湖に向かう高速道路の最初の出口にあるショッピングセンターがIL CENTROで、イタリアで最も大きいそうです。そこのフードコートには、ミラノ市内では見られない店があります。

週末はかなり混んで、ほとんどの店に行列ができています。専用のテーブルがある店は順番が来ると座れますが、TAKE AWAYは席の確保も大変です。

その中で最も列が長かったのはDISPENSA EMILIAです。PARMAを中心としたエミリア地方料理の店です。

順番を待つ場所に、おいしそうなパスタ料理のサンプルが置かれていました。他店のようにファストフードではなく、馴染みある家庭料理が安心して気軽に食べられる点がイタリア人に喜ばれる理由です。

意外!? 食に関しては封建的なイタリア人

フードコートにはマクドナルドやKFCもありますが、Roll eatという店のお米のメニューが目に留まりました。おにぎり棒のイタリア版といった感じの商品を扱っていますが、この店も街中にはありません。


イタリアはファッションで有名な国ですし、新しいものに飛びつく人種かと思われますが、食事に関してはかなり封建的です。知らない食べ物は、味見さえしない人がかなりいます。

お米の料理はお寿司しか知られていないため、この店のメニューはまだイタリア人に受け入れられていないのです。

今回は2種類を注文しました。「SOL LEVANTE（日出ずる国）」は、エビ天・アボカド・トビコにマヨネーズを入れた海苔巻きです。包装したセロファンは、半分から上が切り取れるようになっています。

「CUORE CROCCANTE（カリカリ ハート）」は、豆腐・ズッキーネ・ニンジン・ピーマン・フィラデルフィアチーズを軽いカレー味で仕上げたロールを揚げ、大豆シートでくるんだものです。揚げたては熱くカリカリしておいしい。

それぞれ１個3.90ユーロでした。

サンドイッチ・パニーノは注文を受けてから作ります

クラブハウスサンドイッチは具を選択できます。ローストビーフ入りを注文。サンドイッチ・パニーノは注文を受けてから作ります。

いろいろ食べ歩きをしたいので平日にも出かけましたが、同じように列ができていました。

IL CENTROは、ミラノからコモに向かう高速道路に乗り、最初の出口ARESEで降りてすぐです。収容台数6000台と広大な駐車場ですから、停めた場所をお忘れなく。電車ならROH　FIERAまで地下鉄で行き、561番のバスを乗り継いで行けます。

9万3000平方メートル、すなわち東京ドーム2個分のセンターは、ただ歩くだけでも1時間半かかりました。

ショッピングセンター近くにはALFA ROMEOゆかりの地も

オールドファッションカーが好きな人必見の場所が、このショッピングセンターの近くにあります。「MUSEO STORICO ALFA ROMEO」です。

2002年まで、この地にはALFA ROMEOの工場がありました。その名残がMUSEOとモーターサーキット場です。

建物に入ると、いくつもの広い部屋にその時代の車が、いま出来上がったばかりのような状態で並んでいます。

帽子をかぶったアル・カポネが出てきそうな1930年代の車、戦争中に作られた飛行機のエンジン、多くの人が憧れたスポーツカー…。ALFA ROMEOの輝く歴史を感じられます。

映画の部屋では、ALFA ROMEOが使われた有名な映画のシーンが見られます。

レーサー体験室では、並んだ椅子すべてがレーシングカーの操縦席という設定。参加者はシートベルトを締め、立体に見えるメガネをかけてスクリーンの映像を見ます。

レースが始まると同時にシートがガタンと後ろに傾き、自分の車が動き出したことがわかります。道をそれたり、急ハンドルを切ったりするとシートが動き、水たまりを通過すると水しぶきがかかります。5分間がかなり長く感じました。車酔いする人もいます。

火曜日休館・入場料12ユーロ。写真撮影可です。