うどん店の常識を覆すメニューを提案して、「これはアリかも」と喜ばせてくれるのが、大阪・肥後橋に昨年オープンした「うどん居酒屋 江戸堀」。うどんを豆腐に変更することができ、ハーフ&ハーフもOKというスタイルで、健康が気になるビジネスマンや女性の支持を伸ばしている。

“剛麺”も楽しめるハーフ&ハーフが人気

ビジネス街にオープンした同店は、大阪市内で人気のうどん店を展開する「極楽うどんグループ」の3番目の店舗。グループを率いる店主・田中隆司さんが、この店独自のサービスとして導入したのが、麺から豆腐へのチェンジである。

「糖質制限がブームですが、うどんでは無理かなと思っていました」と田中さん。しかし、ラーメンでは麺抜きメニューが登場しており、大阪には、肉うどんのうどん抜きである・肉吸い・という先駆的なメニューがある。チャレンジする意欲とともに、「できる」と判断したという。

レディースカレーうどんは鶏天ちくわ天温玉をトッピング。通常よりも料が少ないとはいえ、なかなかの迫力

変更は通常と同価格で、麺の代わりに温めた豆腐300gを提供。希望する客の増加とともに、うどんとのハーフ&ハーフの要望も出てきたとか。というのも、同店の魅力は、田中さんネーミングの・剛麺・。25時間以上熟成した、しなやかで、かむと弾力が返ってくる・グミ感・が特徴だ。ファンにとっては、うどんも味わいたいと思うのは必然であろう。

最近では、ハーフ&ハーフの人気が高く、こちらも同価格。変更は、カレーうどんや温かいだしをかけるうどんが対象だが、希望すれば、冷たいメニューでもOKと、柔軟に対応している。想像に反して、女性客よりも男性客のニーズがはるかに高いとかで、健康志向の男性が増えている事例といえよう。

同店のうどん量は、普通盛りでも約400g(カレーうどん、だしのうどんはマイナス50g)とボリュームたっぷり。断トツ人気のカレーうどんは、汁があふれるほどの迫力である。そこで、なかなか食べきれないと敬遠しがちな女性のために、量を抑えたレディースメニューも用意している。

中でも、「レディースカレーうどん」は、3種類をトッピングしたお得感あるメニューとして大人気。もちろん、豆腐への変更も可能なので、選択肢が広がるのも女性客にウケるポイントであろう。

現在、夜は予約での貸し切り営業だが、会社員が多い立地を生かし、看板にある・居酒屋・としての営業も予定。「麺やだしへのこだわりと探求心を大切に、新しいうどんにも取り組んでいきたい」と、今後のメニュー開発にも意欲的である。

●店舗情報

「うどん居酒屋 江戸堀」
所在地=大阪府大阪市西区江戸堀1-23-20 ライフデザイン江戸堀1階
開業=2016年10月
営業時間=午前11時30分~午後2時30分(LO2時)麺が売り切れ次第終了、夜は予約貸し切り時に営業。日曜定休(祝日は営業)
坪数・席数=約17坪・31席
1日平均客数=70人
平均客単価=850円

◇外食レストラン新聞の2017年8月7日号の記事を転載しました。