石川県金沢市のお隣にある河北郡在住の北陸家庭料理研究家・大象みかです。両親とも金沢出身で、金沢の家庭料理が食卓に上ることも多い毎日です。毎月17日は「国産なす消費拡大の日」ということで、金沢の夏ならではの煮物料理「なすのそうめんがけ」を紹介します。手軽に作れて、昔から老若男女を問わず愛されている料理です。それぞれの家庭の味があるかもしれませんが、我が家の食べ方を紹介します。

夏バテ予防に「なすのそうめんがけ」を

「なすそうめん」という名前で呼ばれることもあります。夏の暑い季節で、食欲が落ちている時でも、ツルツルと食べやすく、夏が旬であるなすを使った金沢の代表的な家庭料理と言えます。

毎月17日は「国産なす消費拡大の日」です。冬春なす主産県協議会が制定していて、4月17日の「なすび記念日」が拡大されて、毎月17日が「国産なす消費拡大の日」になりました。

なすは、「コリン」という水溶性ビタミン様物質を含み、胃液を分泌して食欲不振も解消してくれます。また、体内の余分な熱を取るので、夏バテ予防にも役立ちます。

「なすのそうめんがけ」を食べて、ぜひ、暑い夏を乗り切りましょう。

「なすのそうめんがけ」の作り方

さて、今回は2人前作ることにして、群馬県産のなす2個と、そうめんを1束用意しました。だし汁の分量は以下の通りです。

・水 300ml
・顆粒だしの素 小さじ1/2
・濃口醤油 小さじ2
・酒 小さじ1/2

なすを縦に2つに切って、飾り切りをします。

その後、水につけてあくを抜きます。沸騰したお湯に塩を少々入れて、なすを軽く茹でます。そうめんも別の鍋で硬めに茹でて、水にさらします。

さきほどのだし汁の調味料を鍋に入れて、茹でたなすを中火で火が通るまで煮ます。

なすが煮えてきたら、そうめんを鍋に入れて、軽く煮込めばできあがりです。

「なすのそうめんがけ」の食べ方

お皿に盛りつけた時に、すりおろした生姜も添えると、更においしさが引き立ちます。

醤油風味に煮つけたなすに生姜を添えて食べると、なすの瑞々しい甘みと、生姜の酸味が合わさって、ご飯が進みます。

お酒を飲む方はお酒のおつまみにもいいかもしれません。

他県の方は、「これは麺類なの?おかずなの?」と思われるかもしれません。これは立派な夏のおかずになります。なすが主役で、そうめんはなすに添える付け合わせと考えます。

なすの艶々とした紫色は、目からも食欲を呼び覚まします。飾り切りをしてあるので、煮汁も染み込みやすくなっています。なすの味も少し含んだそうめんは、ツルツルとのど越しも良く、食欲がない暑い日でもスッといつの間にか食べてしまいます。

柔らかいなすと、ツルツルと食べやすいそうめんの歯ごたえの対比を楽しみながら味わうのが金沢らしい食べ方です。盛り付ける時に煮汁も少しかけておいて、最後に醤油味のだしも飲むという方もいらっしゃいます。

8月17日に「なすのそうめんがけ」を作ってみましょう!

今回はおろし生姜を上に乗せましたが、他にも大葉の千切りを乗せて食べる方法もあります。大葉のフレッシュな香りを楽しみながら味わうと、夏の疲れも取れそうですね。

煮物ですから、余ってしまう場合もありますね。そういう時は冷蔵庫で一晩冷やしておきます。冷たい「なすのそうめんがけ」もスッキリとした味わいで、体のほてりを取ってくれそうです。

なすとそうめんがあれば、手軽に作れるので、ぜひ作ってみてください。