三井食品は4月24日、同社が取り扱いを開始して4年となるイタリア産クラフトビール「バラデン」の醸造長でありCEOのテオ・ムッソ氏の初来日に合わせてセミナーを開催した。
ムッソ氏は「ビールも大地の一部からできている」「子どもが生まれた時などの感動をビールで表現している」など、独自のビール哲学を語った。料飲店、小売店、報道などの関係者40人が参加した。

すべてのラインアップが食事とよく合う食中酒

セミナー前には藤吉泰晴社長が登壇。「1日一緒に過ごしたが、何にでも好奇心旺盛で質問攻めにあった。ぜひビール造りへの情熱を感じ取ってほしい」と紹介した。

「バラデン」はイタリア初の瓶に詰めたクラフトビールブランドとして知られ、現在は同国内に15のビアパブをはじめとする飲食店を展開するなど業界をけん引している。イタリア国内に1000社近くあるといわれるクラフトビール醸造所の中でトップの規模と知名度を誇る。

「バラデン」は、86年にムッソ氏の生誕地であるイタリア北西部ピエモンテ州のピオッツォ村に開いた小さなパブがスタート。音楽好きだったことから、イタリア語で吟遊詩人を意味する「バラデン」を店名にした。

クラフトビールへの関心は、親戚の家で飲んだ「シメイブルー」から始まり、大手メーカーのラガービールとは違う香りを持ったビールに衝撃を受けたという。ベルギーでビール造りを学んだ後、97年に初の商品として同年に生まれた息子の名前を付けた「イザック」を発売した。ワインに近いボトルの形状や750mlという容量が特徴だ。

すべてのラインアップが食事とよく合う食中酒と考えており、2000年代には2年をかけて独特の形をした「TEKUグラス」を開発。「バラデン」の最大の特徴である香りを感じ取りやすいグラスとして、年間で200万個を販売するなど「バラデンの世界観を伝えることに役立っている」(ムッソ氏)という。三井食品では今後、同グラスをコースターやポスターなどとともに販促品として提供していく考えだ。

原料へのこだわりが強く、イタリア産100%で造ったビール「ナチオナーレ」を発売しているほか、ビール製造に関わるエネルギーも自社でまかなうことを目指している。

「ビールのイメージを変えた男」として表彰されたこともあるムッソ氏は「ビールを飲む人が、香りを楽しむようになった」とイタリアでの変化を語る。

ダミーを持っておどけるテオ・ムッソ氏。左手に持っているのが独特の形状をしたオリジナルの「TEKUグラス」

「開栓する前に、必ずゆっくりと上下をひっくり返して」

「バラデン」のビールはすべて瓶内2次発酵をしているため「開栓する前に、必ずゆっくりと上下をひっくり返してほしい」「オリがたまるので、瓶底にスプーン1杯分くらいを残してほしい」など、飲む際のコツを明らかにした。現在、新しいビールを開発中で「日本で出合ったサンショウを使いたい」と意気込みを示した。

緑色のラベルの「イザック」は女性に人気のベルジャンホワイトタイプ。「白身の魚やレモン、オリーブオイルを使った料理とのペアリングがお薦め」。アルコール度数5%。

イタリアで国を意味する「ナチオナーレ」は自社で栽培したホップのほか、原料の全てがイタリア産という同国初のビール。オレンジピールやコリアンダーを使ったイタリアンエールで「豚カツなどの揚げ物に合う」。同6.5%。

「スーパービター」はベルジャンアンバーエール。世界的に流行している“ホップの苦み”をムッソ氏流に表現。「濃厚なチーズにぴったり」。同8%。

「オープンロックンロール」は、強い苦みとコショウの味わいが特徴。オープンは、イタリア国内でつくり方のレシピを公開しているという意味。「音楽を聞きながら飲んでほしい」。同7.5%。

◇日本食糧新聞の2017年5月8日号の記事を転載しました。