タイ・バンコク市在住のたべぷろ編集部員・アマハッチャン・キャットワンチャイ(男)です。東京下町出身の東京下町育ち。世界各地を流浪の末、やがてバンコクの地に落ち着きました。既に在住8年目となります。日常生活を通じて得たタイのローカル食に関する情報などをご紹介させていただきます。
今回のテーマは、タイ屋台の定番メニュー、魚の缶詰を使ったガパオライス「ガパオプラーガポン」です。

そもそも“ガパオ”って何?

日本でもすっかり定着した感のあるガパオライス。タイ料理の中ではトム・ヤム・クンと並ぶ人気メニューではないでしょうか。本来“ガパオ”とは料理名ではなく植物の名前を示すものにすぎません。

ガパオはタイハーブの一種であり、別に“ホーリーバジル”と呼ばれることもあります。生食には適さず、他の食材と共に加熱調理されるのが一般的です。

このガパオと鶏肉(ガイ)を炒めたものがガパオガイ、豚肉(ムー)と炒めたものがガパオムーとなります。日本でガパオライスと言えばこのどちらかがイメージされるものと思いますが、ガパオの葉が入ってさえいれば何でもガパオライスになってしまうのです。

今回紹介したい「ガパオプラーガポン」はガパオの葉をプラー(魚)のガポン(缶詰)と共に炒めた料理です。日本人にはあまり馴染みのない料理かと思われますが、タイの屋台では定番のメニューです。魚の缶詰を使ったこの料理は日本人の口にもよく合うと思います。

魚の缶詰を調達しよう!

タイでの生活において、ガパオの葉はいつでもどこでも簡単に手に入るとても身近な食材です。同様に、今回のメイン食材となる魚の缶詰(プラーガポン)もコンビニ他あらゆる商店で容易に購入できます。缶詰には幾つかの銘柄がありますが、どれも一缶20バーツ(60円)程度という安価なものです。


この缶詰に使われている魚は主にイワシやニシンなどの青魚です。その食感は日本の魚缶詰と変わりないのですが、なぜか必ずトマトソースで味付けされているというのが特徴です。

日本でこれらを用意することが難しい場合、ガパオの代わりにはスイートバジル、プラーガポンは鯖の水煮缶にトマト缶などを加えるなどして代用できると思います。普通のイワシの缶詰にトマトピューレ等を加えるだけでも十分でしょう。

調理は超簡単!

タイ産の缶詰を使用する場合、もともと味付けされているので基本的にはただ炒めるだけです。熱したフライパンにサラダ油を敷きニンニクと赤トウガラシで風味付け、ガパオの葉と缶詰の魚を炒めて、ナンプラーやオイスターソースで適当に調整、これをご飯に乗っけて終了です。

地元屋台のオバちゃんが作る場合、調理時間3分もかかりません。また、この料理はどこで食べてもほとんど味が変わらないというのも特徴です。安定の美味しさです。

卓上の調味料で好みの味に微調整!

といっても、やはり最後にちょっとひと手間加えて自分好みの味付けにしたくなるのがタイ式。タイの屋台ではテーブル上に各種調味料がセットされています。ガパオ料理に使われるのは、赤唐辛子、青唐辛子、生姜、ライムなどをナンプラーに漬けたものです。

これをガパオライスにかけて辛さを調整します。このナンプラー漬けは自宅でも簡単に作れます。ガパオに限らず、どんな料理にも使える便利な調味料です。

赤い缶詰が目印、どこでも食べられるソウルフード

バンコクの街中に無数に存在する飲食屋台。そのガラスケースの中にプラーガポンの赤い缶詰が置いてある屋台であれば、ほぼ間違いなく作ってくれます。とにかく“ハズレる”ことの少ない簡単料理なので、家でも簡単に作れます。

「ガパオプラーガポン」どこかで一度食べてみてはいかがでしょうか?ハマってしまう人も多いかも。