宮城県仙台市在住の国際中医薬膳師の資格を持つ料理家sato aiです。女性のキレイをかなえる薬膳食材「黒きくらげ」を使ったレシピをご紹介します。薬膳と聞くと難しい食材を考えがちですが、普段から食べている身近な食材でも、組み合わせ次第でりっぱな薬膳料理になります。肉厚でコリコリとした食感がクセになる、宮城県産の黒きくらげを利用して作る薬膳スープは普段の食卓でも取り入れやすいレシピです。

黒きくらげのニラ玉薬膳スープ

【材料】(3人分)
乾燥黒きくらげ 6個
新玉ねぎ 1/2個
豚小間切れ肉 150g
生姜 1かけ
ニラ 1/2束
卵 1個
水 1000cc
塩 適量
醤油 小さじ1
黒酢 お好み

【作り方】
<事前準備>黒きくらげは容器に水とともに入れて30分ほど時間をおく。
1.もどした黒きくらげを千切りにする。新玉ねぎは皮をむいて繊維に逆らうようにして1cm厚さに切る。ニラは4cmほどの長さに切る。生姜は皮付きのまますりおろす。

2.鍋に水・醤油を入れて食べやすいサイズに切った豚肉・新玉ねぎ・黒きくらげ・生姜を入れて煮る。

3.玉ねぎが柔らかくなり、豚肉の味がスープに移ったら塩で味を整える。ニラを入れてひと煮立ちさせる。

※ニラは色よく仕上げるために、加熱しすぎに注意しましょう。

4.スープが沸騰したら、溶いた卵を回し入れてひと混ぜし、火を止める。

※卵を入れた後も加熱を続けてしまうと、卵が固まってしまうので注意しましょう。

5.スープを器に盛り付けて、仕上げにお好みで黒酢を入れる。

黒きくらげは「不老長寿の食材」!身近な食材のニラや生姜とあわせて体を温めましょう

薬膳の考えでは、冬から春への季節の変わり目は、身体の血や体液が不足しやすい時期だと言われています。特に普段から貧血気味の女性にはさまざまな不調が出やすいので、注意が必要です。

今回ご紹介した「黒きくらげ」は冬の食材ですが、女性が元気に活動するのに欠かせない、血液を補う効能があります。血液不足を解消することで、美髪、美爪を保つだけでなく、貧血や老化を防止し、免疫力アップも期待できますよ。身体を若々しく保つ効能が詰まった「黒きくらげ」は、中国では不老長寿の食材としても重宝されています。

そして春のはじまりは、まだまだ昼と夜の寒暖差があるので、身体が冷えたと感じた日には、身体を温める食材を積極的に食べましょう。薬膳では、食材ひとつひとつに役割があります。

その中でも「ニラ」は、身体を内側から温めてくれる効能のある食材です。血行を促進し、冷え性の改善にも効果があると言われていますよ。生姜と一緒に食べることで、さらに身体温め効果が期待できます。いずれも陽気を高めることが必要な今の季節、春にもピッタリ。

有機栽培にこだわった国産の黒きくらげも

黒きくらげと言えば、中国産の乾燥きくらげの流通が多いイメージですが、東北地方では古くから、倒木などに自生する生の黒きくらげが食べられてきました。今では菌床栽培が主流となりましたが、有機栽培にこだわった国産のきくらげの栽培をしている生産者もいます。

4月末から10月頃のシーズンになると地元の産直市場では、肉厚で食べ応えのある大ぶりな「生きくらげ」を購入できます。乾燥きくらげは通年で入手できます。

きくらげは全国各地で栽培されていますが、その中でも宮城県の生産量はトップクラスです。現在では、ソーラーパネルの下の空間を利用した栽培や、漁業関係者の新たな事業として栽培をはじめるなど、黒きくらげの生産シェアがますます広がってきています。

味にクセもないので、さまざまな料理に入れてコリコリした食感を楽しめますよ。女性にうれしい効能がたくさん詰まった黒きくらげを、ぜひ日々の食卓にご活用ください。