行列のできるうどん店として有名な「麺闘庵」で、客の9割が注文するのが「巾着きつね」だ。大ぶりの器の中には、つゆに横たわる大きな巾着。開くとうどんが現れるという“逆きつねうどん”である。具などのトッピングはなく、好みで入れる刻みネギは別添えで提供。巾着の堂々とした姿を前面に押し出した、商品への自信がうかがえる盛り付けだ。

味の特徴も、一般的なきつねうどんとは違う“甘くないきつね”。オーダーを受けてから、油揚げにうどんを詰めて巾着を作り、醤油を強めに配合しただしで炊いて味を入れるのが同店流だ。うどんは、コシにこだわった特注麺を使用。250gと多めに入れることで、形よく仕上げている。

「巾着きつね」950円(税込み) 巾着のみをシンプルに盛る

13年前の創業当時はつけ麺専門のうどん店で、その1年半後に登場したのが同品。きつねうどんを望む声をきっかけに、「甘くない方がよい」という意見が多いことも参考に開発に着手したとか。

「中に忍ばせたり包んだりする懐石料理のイメージで、かわいくて『面白い!』と喜んでもらえるものを、と考えました」と、津保井勇店主。既成概念にとらわれない発想が生み出した、インパクトある商品と盛り付けである。

●店舗情報
「麺闘庵」 所在地=奈良県奈良市橋本町30-1

◇外食レストラン新聞の2021年2月号の記事を転載しました。