ダイエットにはガマンがつきもの。「カルビ肉が食べたいけれど赤身にする」「一食をプロテインに置き換える」「夜中のラーメンをスープにする」…。

成果が出てもリバウンドしやすいのは「美味しいと思うものを我慢しているから」。でも、カルビ肉だけが本当においしいの?ヘルシーなものを「おいしい」と思って好んで食べられたらストレスなくダイエットができるはずです。味覚を広げて「おいしい」を増やして、やせられるとしたら?

おいしさのベクトルが一方向になっていませんか

「とろける~!」「肉汁がジュワ~ッと口いっぱいに広がって」「脂が甘~い」…。メディアでみかける美味しそうな「食リポ」(食べたものを表現する仕事)。お肉メニューの食リポのセリフの定番がいくつかありますね。

柔らかくとろける霜降りのしゃぶしゃぶや、切れば肉汁あふれるハンバーグ。私たちは、「食べたい!」と思います。でもそれだけが「おいしい」肉の定義のように思われている傾向もありませんか?

肉のおいしさは無限大。とろけなくっても「おいしい」もアリ

でも本来、牛肉も豚肉も4本脚で歩いたり走ったりする動物なのですから、余分な脂はなくて筋肉質だったら少し硬くてもおかしくないはずです。

それでも例えば、「硬いです!硬い歯ごたえがたまりません!」「切っても肉汁が流れない締まった肉質に、行列が絶えません」などの食リポは聞いたことがありませんし、聞いても「わあ、食べたい!」と思う人は少ないでしょう。

それでも、ジビエ(野生の動物)や赤身肉は脂がなく歯ごたえもありますが、さっぱりした美味しさも感じます。

「オイシイ」を広げれば、ダイエットだけでない波及効果も

ダイエットのときは、大体「本当は霜降り肉が食べたいけれど、ダイエットだから赤身肉」と思ってしまうものですが、「おいしい」味覚が広がれば好んで赤身を選んで食べますから、幸せでおいしいままに確実にカロリーオフできます。

それどころか、味覚が広がることで、好きな料理の幅も広がります。実践した人の中には、好き嫌いがなくなったり、日頃の考え方がポジティブになったり、肌がキレイになったり、といった波及効果が生まれていますよ。

外食店でも「おいしさ」を広げる傾向へ

浅草の老舗すき焼き店が、このほどメニューから霜降り肉の表記をやめ、店独自の表記「適サシ肉」に変更しました。提供する肉の肉質等級も霜降の多いA5からA4へ。

近年、5割以上のサシの肉もあるA5。「肉らしい味わい」「しつこくなく美味」とA4に変えてお客様からの評判も上々とか。

おいしさの判断は一方向になってしまいがちです。「ソースたっぷりでたこ焼きは食べるもの」と思ったり、「甘いおやつは毎日」が習慣だったり、「お風呂上りにはアイスクリーム」と決めていたり。ここで、ヘルシーな味わいの美味しい部分を探して、味覚アンテナを広げて楽しんでみませんか。

新刊「やせる味覚の作り方」(文響社)に詳しく書きましたから宜しければ読んでみてくださいね。初回からPRのようですみません。太りやすい私が15年以上かけて実験し続けて生み出した幸せな気持ちのままやせられるダイエット法なんです。