公認スポーツ栄養士・3児のママの馬明(まみょう)真梨子です。夏野菜がおいしい時期となりました。夏に旬を迎えるなすやきゅうり、トマトは家庭菜園でも人気の野菜ですね。今回は「なす」を主役にしたレシピをご紹介します。なすを苦手とするお子さんも多いと思いますが、なすを敬遠している我が子たちもペロリと食べてくれたレシピです。ぜひお試しください。

栄養キープ!なすのかばやき丼

「かばやき」と聞くと「うなぎ」を想像される方が多いと思いますが、今回の主役は「なす」です。うなぎは年々、高価になってきているので節約レシピとして「なす」を代用してみてはいかがでしょうか。

「なす」が嫌い!というお子さんもいらっしゃると思います。今回のレシピは丼もの(主菜と主食)なので味付けを濃いめしています。さらに見た目をうなぎ丼風に見立てて、楽しい食卓を演出することも好き嫌いの克服につながります。

うなぎの皮の代わりに「焼きのり」を使用し、たんぱく質不足を炒り卵でカバーしたレシピです。ごまやネギはトッピング食材してよく活躍していますが、不足しがちなマグネシウムやエネルギー代謝をよくするアリシンなど栄養価を高める役割をもしてくれます。うなぎの代用ではありますが、栄養価も劣らないように組み合わせを意識してみました。

【材料】(2人分)
<かば焼き>
なす 中1本
片栗粉 適量
油 適量
醤油 大さじ3
酒 大さじ6
きび糖 大さじ1・1/2

<炒り卵>
卵 2個
酒 大さじ1/2
きび糖 大さじ1/2
塩 少々

焼きのり 適量
いりごま 適量
青ネギ 適量

【作り方】
1.なすを縦に厚さ5mm程度にスライスする。

2.カットしたなすをラップで包み、レンジで加熱する。(600W3分程度)
3.卵・卵用の調味料を混ぜ合わせ炒り卵を作る。
4.丼ぶりにごはん・炒り卵・焼きのりの順に盛り付ける。

5.加熱したなすに片栗粉をまぶし油でカリッと焼き、焼き目がついたらかば焼き用の調味料を加える。
6.かば焼きのたれがトロっとなるまで煮詰めたら、丼ぶりに盛り付けお好みでごま、ねぎで飾る。

水分と栄養を逃さない時短調理のコツ

なすは水分量が多い野菜です。水分量を外に逃がさないようにすることで、暑い時期に火照った身体を冷やす働きをしてくれます。また、なすの水分の中に夏場に意識して摂りたいカリウムという体の水分量を調節してくれるミネラルが多く含まれているので、できるだけなす内の水分量の流出をさける調理方法がおススメです。

そこで役立つ調理方法として「電子レンジ」の活用です。ラップをしてレンジ加熱をすることで蒸し調理同様に水分を閉じ込めて加熱ができるので下準備として、時短として最適です。

さらに、なす内の水分を閉じ込めるために片栗粉をまぶし、カリッと焼き目をつけることもポイントです。なすのスライスの厚さやレンジの種類によっては加熱をしすぎてしまう場合がありますので、なすの実が崩れないように加熱時間を気にかけてみてください。

暑い時期こそ食べたい!体を冷やす食材“なす”

「秋茄子は嫁に食わすな」ということわざが有名ですが、なすには身体を冷やす作用があります。水分量が多いだけでなく、旬を迎えるなすはとてもおいしく箸が進むため食べすぎてしまうと身体を冷やしすぎるよ、という意味があります。

カチンコチンに冷たいアイスやジュースよりもなすなど旬の食材を選んで火照った身体を冷やすほうが体調は整えやすいです。

またなすには「ナスニン」と呼ばれる抗酸化作用がある栄養素が皮に含まれています。ナスニンはアントシアニンと呼ばれる目の健康維持に働くポリフェノールの一種ですがシミ、そばかすなどアンチエイジング効果や生活習慣病の予防効果もあります。

なすの栄養価を余すことなく頂くためにも、ぜひ皮付きのなすを使って暑い夏を元気に乗り切っていきましょう!