モツ煮込みは赤白どちら? ネオ大衆酒場の遊び心
ここ数年『ネオ大衆酒場』と呼ばれる業態が増えている。大衆酒場といえば安い酒と料理を目当てに中年以上の男性が行く店というイメージだったが、ネオ大衆酒場は世代の若い30~40代の男女がターゲット。フードも大衆酒場の定番料理をベースにしつつ、ひとひねりある遊び心で若い世代にアピールする。その好例が赤白の2色を選べる大衆酒場ビートルのモツ煮込みだ。
白は白味噌ベースの上品な味わい、赤はコチュジャンを利かせたピリ辛
「モツ煮込みという大衆酒場の定番中の定番に、選べる楽しさをプラスしたいと考えたんです。ベーシックな味噌味と組み合わせるのは、迷うことなく“辛い”味でした」と語るのは胡桃澤忍常務。そこからコンセプトを磨き上げる段階で赤と白の色を強調してできあがったのが同品というわけだ。
白は白味噌ベースで調味して上品な味わいに、赤はコチュジャンを利かせたピリ辛に仕上げている。同店のフードはどれも店内調理の比重を高めてオリジナルな味を追求したものばかり。
モツ煮込みも材料こそ共通のものを使用しているが、赤・白それぞれ別の鍋で煮込んでいるから、異なる二つの味がしっかり染み込んでいる。モツ煮込みは赤・白合わせて月間600食出るという。1日平均すると20食で赤・白の注文比率は半々とどちらも高い支持を得ている。
「団塊ジュニアのための大衆酒場」
同店のコンセプトは「外食経験が豊かな団塊ジュニア世代のための大衆酒場」(胡桃澤常務)。内装レイアウトこそ大衆酒場のそれだが、部材や照明に凝ってスタイリッシュなデザインにアレンジ。
主客層は狙い通り30~40代の男女で、20代カップルや女性グループの来店も少なくなく、週末は子連れファミリーも訪れるという。「大衆酒場なのに明るくて清潔でおしゃれ」が今の世代に刺さっているのだ。
100品を超えるフードメニューのバラエティーも幅広い客層に支持される理由の一つ。女性に人気の食材であるアボカドやパクチーを使ったサラダ商品や、ソーセージを自家製するといった洋食のエッセンスをミックスしている点がユニーク。
アルコールも同様で日替わりのクラフトビールがあったり、日本酒25種類以上を475円の均一価格で揃えていたりと、いろいろな楽しみ方が凝縮されている。極めつけがシャーベット状に氷らせた日本酒「フローズン日本酒」(507円)といった遊び心あるアイテムをオンメニューしている。
2015年11月に東京・蒲田に1号店をオープンして、同店が2店目。今後も多店化を積極化させる考えだ。
●店舗情報
「大衆酒場 BEETLE 五反田店」
経営=プロダクトオブタイム/店舗所在地=東京都品川区東五反田1-23-7 メリス五反田ビル1階
開業=2016年12月/午後4時~翌午前1時(土・日・祝日は午後2時~)、無休
坪数・席数=20坪・50席/1日
平均客数=100人/平均客単価=2400円
◇日本食糧新聞の2017年7月3日号の記事を転載しました。
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