「噛む」というのは意外と疲れるので、子どもは柔らかくて食べやすいメニューを好むことが多いです。もちろんメインは子どもが喜ぶおかずでいいと思いますが、噛み応えのあるメニューも一緒に食卓に並べて、小さいころからよく噛んで食べる習慣をつけましょう。しっかりと噛むことで得られるメリットは多く、例えば食べ過ぎを予防したり顔の筋肉を鍛えたりすることができます。今回は、忙しいワーママのために10分でできる噛む力を育てるレシピを3品紹介します。

さきいかときゅうりのかむかむサラダ

きゅうりの酢の物に調理不要のさきいかを和えた、おやつ感覚で食べられるサラダです。さきいかにはほどよい塩気と旨味があるので、お酢と砂糖を入れれば味がばっちり決まり、酢の物を作ったことがない方でも美味しく作れるはず。

噛めば噛むほど旨味がでるので、咀嚼回数も増えるでしょう。

【材料】(2人分)
さきいか 20~30g
きゅうり 1本
にんじん 5cm
酢 大さじ2
砂糖 大さじ2

【作り方】
1.きゅうりとにんじんは千切りにして、にんじんは2~3分熱湯で茹でる。千切りをするときは、まずスライサーでスライスし重ねて切れば時短になる。

2.さきいかを手でちぎったり裂いたりして食べやすい大きさにする。

3.ボウルに(1)(2)と調味料を入れて混ぜる。
4.2~3分置いて馴染ませたら完成。

れんこんの磯辺焼き

れんこんは固く繊維質なので、咀嚼回数を増やすのに向いている野菜の1つ。淡白な味わいなので、子どもでも好き嫌いなく食べられるでしょう。れんこんは皮を剥かずに調理をすることで時短になるだけでなく、皮やその周辺に含まれる栄養素を余すことなく摂取できます。

とはいえ皮の食感が気になる子どももいると思うので、皮は半分くらい削ってもOK。まず、アルミホイルをくしゃくしゃに丸めて、それでれんこんの皮をすります。

するとれんこんの皮が少し削れて、表面についた泥や汚れも一緒に落ちるので下処理の時短になります。

【材料】(2人分)
れんこん 10cm
塩 少々
薄力粉 大さじ3
青のり 大さじ2と1/2
水 大さじ4

【作り方】
1.丸めたアルミホイルを使ってれんこんの皮の表面を削る。
2.6~8mm幅の輪切りにして、水にさらしたら水気を切る。
3.れんこんの両面に塩を振る。
4.ボウルに薄力粉・青のり・水を入れて混ぜたられんこんを入れる。
5.フライパンに多めの油を入れて強めの中火で熱し、片面2~3分を目安に揚げ焼にする。

6.しっかりと油を切ったら完成。

ちりめんじゃこと大葉の焼きおにぎり

噛み応えのあるちりめんじゃこを混ぜ合わせて表面をカリッと焼き上げることで、普通の白ご飯よりもしっかりと噛んで食べられます。

大葉は、数枚重ねた後に丸めてハサミで切ることで包丁やまな板を使わず、時短調理できます。

今回は10分で作るため、炊けたご飯に調味料を入れて混ぜ合わせますが、大量に作りたい場合は炊き込みご飯の要領で炊飯前に調味料を入れるといいでしょう。その場合、均等に味が付き、ご飯の中まで味が染み込むというメリットがあります。

【材料】(4個分)
炊飯済みの白ご飯 1.5合
ちりめんじゃこ 大さじ4
大葉 4枚
醤油 大さじ1
和風だし 小さじ1
みりん 小さじ1/2
ごま油 小さじ1

【作り方】
1.ボウルに醤油・和風だし・みりん・ごま油を入れてよく混ぜる。
2.(1)に大葉をはさみでカットしながら入れて、ご飯・ちりめんじゃこも加えてまんべんなく混ぜ合わせる。
3.4等分して、三角ににぎる。
4.フライパンにごま油(分量外)を入れて強めの中火熱し、片面2分を目安に焼き色が付くまで焼いたら完成。

幼少期から良く噛むクセをつけて健康な体を作ろう!

咀嚼回数の目安は、1口30回です。もちろん食材によって適正な回数は変わるのであくまで目安ですが、しっかりと咀嚼することで唾液の分泌が促され、

・デンプンの分解を助け、消化吸収がよくなる
・唾液の殺菌作用によって口内の健康を維持できる

などのメリットが得られます。

また、噛むことでセロトニンというホルモンが活性化し、脳を目覚めさせたり睡眠の質を良くしたりするので、朝食をしっかり噛んで食べることで目が覚める、夕食をしっかり噛んで食べることで熟睡できるといった効果も期待できるのです。

もちろん、子どもだけでなくママにも嬉しい効果があります。例えば、咀嚼回数を増やし時間をかけて食べることで食べすぎを防げる、顔の筋肉が鍛えられることでフェイスラインが整うなど、健康面だけでなく美容面でもメリットがたくさん!

出典元:
噛むことと健康との関係 文部科学省後援 健康管理能力検定
日本咀嚼学会からの発信(PDF)

冒頭でも少し触れましたが、固いものばかりだと食事に疲れてしまうので、

・いつものメニューに咀嚼回数が増えるおかずを1品加える
・子どもの咀嚼力に合わせて食材の大きさや固さを変える

など子どもの負担にならないような工夫をしながら、しっかりと噛んで食事をするクセを小さいうちからつけてあげてください。