食を楽しむことがクローズアップされてきた現代、飲食業界はもちろん一般家庭でも、より良い食空間を創り出すことへの関心が高まりつつある。
東京ドームで開催され、毎年27万人以上の来場者を集める「テーブルウェア・フェスティバル」のプロデューサー兼オフィシャルコーディネーターをはじめ、多くのシーンで活躍中の食空間プロデューサー・塩貝起志子氏に、魅力的な食空間を演出するためのヒントをうかがった。

「食」とテーブルコーディネートの深いつながり

――食空間をプロデュースするとは具体的にはどのようなことでしょうか?

食空間とは文字通り食事をする場所ですが、テーブルの上、もっと狭くいえば1人用のお膳もひとつの食空間といえます。

ですから、ダイニングルームそのものを整えたり、食事のBGMを選ぶといったことに加えて、食器やリネン、花などで食卓をコーディネートすることも、食空間の演出にとって大切なことです。

――魅力的な食空間を創り出すためのポイントはありますか?

まず「食べる人のことを考える」ということですね。主役は空間ではなく人なんです。テーブルウェアひとつとっても、好きな飲み物が一番おいしく感じられるグラスを使う、元気を出して欲しいからランチョンマットを明るい色にする、食べる人が使いやすい形や大きさの器を選ぶ、というように、五感に響く思いやりの気持ちで選んでいくことが魅力的な食空間を創ることにつながります。

これは飲食業態の食空間でも同様です。外食で「選ばれる店」となるためには考えないといけないことだと思います。その中では、テーブルウェアと食品、ハウスメーカー、インテリア業界など、幅広い業種のコラボレーションも重要性を増してくるでしょう。

テーブルウェア・フェスティバル2019 丸美屋 うつわスタイリング「のりたま」

――2月に開催される「テーブルウェア・フェスティバル2020」では魅力的な食空間プロデュースを多数見ることができると思うのですが、ぜひチェックしておきたい食器やコーディネートを教えてください。

2007年より、丸美屋食品のブースをプロデュースしております。丸美屋の代表商品である「のりたま」や「麻婆豆腐の素」など身近な食品に合う、うつわコーディネートを“うつわスタイリング”としてご紹介しています。 丸美屋食品のブースでは、コーディネート例もご覧になれます。

特集企画のひとつ、イタリアの食器は素材の多様さと色の鮮やかさが特徴ですが、今回は少し珍しいステンレスや樹脂製の器もご紹介します。樹脂といってもイタリアの大使館イベントなどでも使用されるほどクオリティが高いものなんですよ。

また、もうひとつの特集企画である瀬戸焼は、古典から現代のものまで幅広く揃いますので、釉薬の違いによる多彩さや土ものならではの表情や温かみなど、“せともの”の魅力を堪能できると思います。

同時に伝統の技術を生かしつつ現代の食生活にマッチするように作られた新しい瀬戸焼の楽しさも知っていただけるでしょう。

日本は他の国以上に、各地にオリジナルの器があるんです。陶磁器で有名な産地も全国に多数あり、漆器やガラスも各地に名産地があります。

おのおのの産地の魅力を生かして料理と引き立て合うコーディネートにも注目してみてください。

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後編では、引き続き塩貝起志子氏に、日々の暮らしを豊かにする『うつわスタイリング』について教えていただくとともに、「テーブルウェア・フェスティバル2020」丸美屋食品ブースの見どころもあわせて紹介する。

テーブルウェア・フェスティバル2020 ~暮らしを彩る器展~」

日時:2020年2月2日(日)~10日(月)
場所:東京ドーム
10:00~19:00(初日は11:00から/最終日は18:00まで。入場は閉場の1時間前まで)
前売券1,900円、当日券2,200円、通し券(オンラインチケット限定)5,000円 税込

今回で28回目を迎える日本最大級の“器の祭典”。日本および世界各国の陶磁器や、ガラス、漆器、木工品など、多彩なテーブルウェア13万点以上が一堂に会する。テーブルセッティングの展示や販売コーナーのほか、コンテストやステージイベント、セミナーなども開催。今年の特集企画は、「美食の国 イタリア ~Life with design~」と「『温故創新』彩の器~瀬戸焼~」他。
公式サイト https://www.tokyo-dome.co.jp/tableware/

テーブルウェア・フェスティバル2020の入場券をプレゼントいたします。(10組20名様)

ご希望の方は下記のメールアドレスに、郵便番号、住所、氏名を明記の上、送信ください。
webbiz@nissyoku.co.jp
応募締切:2020年1月24日(金)まで
お客様からご提供いただいた個人情報は、プレゼント抽選、送付以外に一切使用いたしません。


主催:テーブルウェア・フェスティバル実行委員会(読売新聞社、株式会社東京ドーム)
後援:駐日イタリア大使館、経済産業省、東京都、愛知県、瀬戸市、NHK、公益社団法人日本陶磁協会、読売光と愛の事業団、NHK厚生文化事業団、NPO法人食空間コーディネート協会、文化放送

<プロフィール>
塩貝起志子 食空間プロデューサー、食器専門家
東京ドーム テーブルウェア・フェスティバル プロデューサー兼オフィシャルコーディネーター、食空間スタイリングサロン「style LaCHICK」主宰。テーブルウェア・フェスティバルでは、2007年より丸美屋食品ブースのプロデュースを担当。
国内外で研鑽を積んだテーブルエンターテインメント、フラワーアレンジメントの技能と卓抜したセンスを駆使して、企業・ブランド・地域産業のマーチャンダイジングなど、食演出に関わる数多くのプロジェクトで活躍。作品展や種々のセミナーを通して食演出の魅力を広く紹介するとともに、プロフェッショナルの養成も行っている。