ケンミン食品は、同じ神戸の企業・フェリシモ猫部とのコラボレーションによるベトナム風フォー「ベトナム風ニャー」=写真=を共同開発し、11月26日から発売開始した。先行商品の焼ビーフン「にゃきビーフン」に次ぐ第2弾で、異常繁殖する猫を殺処分から守る活動を支援する。

古代中国で猫は「稲穂の精霊」とされ、歴史的にコメとつながりがある。コメ由来の麺・ビーフン専業メーカーで、稲穂のマークを会社ロゴに使用するケンミン食品は、そもそも猫とのつながりが深い。

一方、日本では、1年に8000頭の犬と、3万5000頭のネコが殺処分されている。特に猫は、飼い主に捨てられたり、災害時に置き去りにされたりなど、地域で異常繁殖する問題も起こっており、フェリシモでは、これを解決したい顧客の声を受け、犬猫の保護と“里親”捜し活動、猫の過剰繁殖防止活動を支援する猫基金を設立した。これにケンミン食品が共感。前回に続き今回のコラボ商品開発に至った。

両社の取組みは、地元紙やTV番組で取り上げられ、先行商品の「にゃきビーフン」は、当初計画の2倍の売上げを確保している。

フェリシモ猫部とは、10年9月に活動開始した猫好きが集まる部活動で、「猫と人がともにしあわせに暮らせる社会」を目指し、基金付きオリジナル猫グッズを企画開発している。

専用Webサイトを設け、猫グッズ販売のほか、毎日変わる「今日のにゃんこ」「猫ブログ」の連載、視聴者が写真投稿できる「猫ギャラリー」、基金の活用情報など、猫好きが楽しめる多様なコンテンツを掲載。賛同したユーザーは、毎月100円の「フェリシモわんにゃん基金」や、ポイント「メリーポイント」を使って支援活動に参加することができる。

「ベトナム風ニャー」は、鍋一つで簡単に調理でき、優しい味わいの鶏だしスープが絡み、トッピングの鰹節がうまみを引き立たたせる、どこか懐かしさを感じる風味に仕上げた。

内容量77g入り5パックが、950円+税。フェリシモの通販サイトを通じて販売し、うち28円を基金に運用される。

◇日本食糧新聞の2019年12月13日号の記事を転載しました。