NHKの「あさイチ」などテレビでも多数取り上げられ、食事制限なしでダイエット効果が期待できる食材として、いま大ブームの「おからパウダー」。低糖質高たんぱくで、携行性があり保存もきき、しかも安い!1日スプーン3杯、いつもの食事にかけるだけ・まぜるだけ。半年で13kgの減量に成功した精進料理研究家の麻生怜菜さんに、おからのすごいパワーについてお話を伺いました。

産後のダイエットを決意!おから研究会を立ち上げ

娘は5歳、息子が1歳、ただいま子育て真っ最中です。いまでこそ体重も体形も出産前に戻りましたが、実は息子の妊娠中、体重が18kgも増えてしまいました。しかも、産後の“おなかぽっこり”がなかなか戻らず、危機感を覚えていました。

精進料理研究家とはいえ、生まれたばかりの赤ちゃんはいるし、育児に追われ、手間ひまかけて料理する時間なんてありません。運動は大の苦手でしたから、時間がなくてもすぐに実践できる「おからパウダー」でダイエットをしようと決意したのです。

精進料理が専門のため、もともと大豆食品はよく使っていました。手軽に腸活できるおからパウダーの人気が高まっている中、料理研究家仲間とおから研究会を立ち上げました。

レシピをつくり、試食しているうちに、いつの間にか体重が減り、気がつくと半年でウエストが78cmから58cm。体重もじわじわと減り、最終的にはマイナス13kg。母乳育児だったので、食事量も栄養もこれまで通り。我慢しないダイエットが成功したのです。

おからパウダーの使い方はいたって簡単。高温で乾燥させたものなので、調理しなくてもそのまま手軽に使えるのが最大のメリットです。ヨーグルトや飲み物、みそ汁、スープに入れたり、市販のドレッシングやレトルトカレーにちょい足ししたり。秒速で栄養価をアップさせることができます。

満腹感があり中性脂肪が溜まりにくい 豊富な栄養で健康増進にも!

おからパウダーの活用法は1日3食、ふだんの食事に「かける」「まぜる」だけ。それだけで、日本人に不足している食物繊維量を十分に補うことができます。豆の皮や胚芽も含まれるため、食物繊維量は豆乳の218倍。鉄分は4倍。糖質は小麦粉の10分の1という超ロカボな食材で、ダイエットには最適です。

また、おからパウダーに豊富に含まれる不溶性食物繊維は、水分を含むとふくれるため、お腹がいっぱいになって食べ過ぎ防止にもなります。さらに、おからに含まれる大豆たんぱく質には、中性脂肪を減らす働きも。

おからパウダーを食事に取り入れると脂肪が減るのは、大豆に約5%含まれるβ-コングリシニンの作用によるものです。β-コングリシニンを摂取したグループは、摂取しなかったグループに比べて中性脂肪と内臓脂肪が大幅にダウンしたというデータも報告されています。だから無理なくダイエットできるのです。

他にもおからには、骨粗しょう症予防と血圧やコレステロールを下げる「イソフラボン」が豊富に含まれています。女性ホルモンと同様の働きがあるため、美肌効果もあるのです。大豆に含まれる「サポニン」には、脂肪の蓄積を抑制したり、脂肪の燃焼を促進する働きもあるので、肥満の予防効果も。健康増進とダイエット効果があるおからパウダーは、いいことづくめなのです。

うれしいのは、常温で長期保存がきくこと。持ち歩いて外食する時でもサッとお料理にかけられます。職場でも常備しやすいところがいいですね。

飲み物にまぜるだけでもOK! 手軽に毎日続けられることが大切

おからパウダーの簡単な取り方としては、まず、ヨーグルトや飲み物に「まぜる」。「それってお料理?」とつっこみが入るほど簡単ですが、れっきとしたお料理です。

味にクセがないので、みそ汁やトースト、パスタ、カレーなどに「ちょいかけ」すれば、料理の味を変えず糖質オフにも役立ちます。

「子どもの便秘を治したい」「夫のお腹を凹ませたい」という場合は、「おきかえ」「かさまし」で調理時にまぜこむやり方も。我が家の子どもたちは、これまで一度も気づかないまま、おいしく食べてくれています。

おすすめは卵料理。おからパウダーが卵液を吸ってふくらみ、ふわっと仕上がり、冷めてもかたくならずお弁当にも最適です。

広義にとらえると、精進料理は自分自身を厳しく律している修行者たちが、必要最低限の栄養を摂取するための料理です。私の提案する「ゆる精進料理」でも肉や魚介類、卵は使用せず、植物性のものを使います。ねぎなど本来の精進料理では使用しない「五葷(ごくん)」は使った方がおいしいと思う時は多少使うこともあります。今回のおからパウダー本では、多くの方に実践してほしかったので、普段の精進料理では使わない動物性の食材も使いました。

新刊の『おからパウダーでスッキリ腸活レシピ』では、忙しい人でも手軽に毎日続けられるレシピをたくさん紹介しています。きっと、おからが持つ素晴らしさを実感していただけると思います。

<プロフィール>
あそう・れいな 結婚後、夫の実家がお寺だったことから日本の伝統食を研究。2011年より「あそれい精進料理教室」を主宰。精進料理でよく使っていた「おから」が産業廃棄物になっている現状を知り、「もったいない」精神から「おからを食べて腸活」を提案。日本大学生物資源科学部非常勤講師。著書に『寺嫁ごはん 心と体がホッとする“ゆる精進料理”』(幻冬舎)ほか多数。

おからいり卵の作り方

卵3個、おからパウダー(こまかいタイプ)大さじ3、酒小さじ2、塩小さじ1/4をまぜ合わせ、サラダ油大さじ1を熱した鍋でいり卵をつくる。

これでにら玉をつくると、食べごたえがぐんとアップ。腹持ちがよく、食べ過ぎを防止します。

◇百菜元気新聞の2019年11月1日号の記事を転載しました。

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『おからパウダーでスッキリ腸活レシピ』を、たべぷろ読者のワーママ限定で3名様に抽選でプレゼントいたします。たべぷろお問い合わせフォームに必要事項をご記入のうえご応募ください。応募締め切りは11月24日(日)です。

おから研究会代表 麻生怜菜著
主婦の友社刊/本体1,200円(税別)