アレルギーの子どもたちが増えた今、“除去食”を用意する保育園も多くなりました。こうした中、千葉市の公立保育所(以下、千葉市立保育所)では通常の献立とアレルギー対応の献立の2種類を作っての対応とし、また一部メニューでは『みんなが同じ食事を食べられる』ことを目指し、アレルギーを引き起こしやすい素材を別のものに置き換えた献立の開発をしています。どんな工夫がなされているのか、千葉市花見川区の西小中台保育所で教えていただきました。

同じ食事を摂る喜びも味わってもらうための工夫

子どもが安心しておいしく食べられる工夫のひとつに『食材の代用』という方法があります。

同保育所を訪問した日のメニューは「ミートローフ」「フレンチサラダ」「コーンスープ」「果物」(主食は各自持参)でしたが、『みんなが同じ食事を摂る』ことも大切にしているため、アレルギーを引き起こしやすい食材は他のもので代用。その作り方を主任栄養士の鈴木先生に教えていただきました。

「ミートローフ」には、通常つなぎとして使われる卵や牛乳を使用せず、高野豆腐や豆乳が入っていました。すり下ろした高野豆腐がふっくらとした食感をつくりだしています。加えて玉ネギやニンジンといった野菜もたっぷり入っていたので、食べごたえも十分!

焼きたての「ミートローフ」。ひき肉に加えて高野豆腐も入っているので、ふっくらとした食感!

また、別の日のメニューではありますが、小麦粉の代わりに米粉を使った調理もしています。魚のムニエルを作る際にまぶす小麦粉を、米粉で代用。米粉で揚げ物の粉を作ると、小麦粉よりも油を吸いにくいので、わずかに低カロリーにもなるそうですよ!

アレルギーを知ることはとても重要! “自分を守る力”を養う

『みんなが同じ食事』を大切にする一方で、アレルギーを持つお子さんにはしっかりと「なぜ食べられるメニューなのか」も伝えています。給食では安全が図られていますが、一歩外に出れば自分たちで食べられるものか否かを見極めないとなりません。

命にかかわる、とても大切なことです。親御さんだけでなく、自らもそうした意識を持ってもらいたいと、先生方の子どもを想う気持ちが溢れていました。

千葉市立保育所におけるこうした取り組みは、誤食を防止し、安全・安心な給食を提供するという目的はもちろん、「お友だちと同じものを食べたい」という子どもたちの気持ちや、アレルギー対応に追われる親御さんの負担を少しでも軽くしたいという栄養士さんらの思慮があって始まった取り組み。「まだまだ改良の余地はあります」と意気込みを見せる姿に、頼もしさすら感じます。

たった3人で130人もの食事を用意! 手際のよさに目が釘付けでした!

ミートローフ

<材料(1本分)>
・豚ひき肉   500g
・高野豆腐    30g
・玉ネギ    1個
・ニンジン   100g(約1/2本)
・グリンピース  30g(冷凍)
・塩、こしょう 少々

・パン粉     30g
・豆乳     100cc

《ソース》 全てを鍋にいれて火にかける
・ケチャップ   50g(大3強)
・中濃ソース   30g(大2)
・赤ワイン    5g(小1)

<作り方>

  1. パン粉を分量の豆乳で浸し、高野豆腐はすりおろしておく
  2. 玉ネギをみじん切りにして炒め、冷ましておく
  3. ニンジンを6~7mmのさいの目切りにして茹でる
  4. 豚ひき肉に塩、こしょう、①、②を入れてよく混ぜたあと、③とグリンピースを加える
  5. 天板に細長く成型してオーブンで焼き(180~200℃、30~40分)、ソースをかけて完成

鮪のムニエル

<材料(4枚分)>
・めかじき  4枚
・米粉   20gくらい
A・・・・・・・・・・・
酒    小1
醤油   大1
・・・・・・・・・・・・

<作り方>

  1. めかじきは合わせたAで下味をつけておく
  2. ①の水分を切り、米粉をまぶす
  3. フライパンに油をひいて、②を並べて焼く

フレンチサラダ

<材料(3~4人分)>
・キャベツ  150g
・キュウリ  1/2本
・リンゴ   1/4個
・ミカン缶  60g
A・・・・・・・・・・・
植物油    大1
酢      大1弱(園ではワインビネガー使用)
ミカン缶汁  大1弱
食塩     少々
・・・・・・・・・・・・

<作り方>

  1. キャベツは3cmの千切り、キュウリは半月切り(薄切りでOK)にして塩をふる
  2. リンゴは皮をむきいちょう切りにする
  3. Aを混ぜてドレッシングを作る
  4. ①、②、ミカン缶を合わせ、食べる直前にドレッシングをかける

※ワインビネガーを使用しているのでとってもまろやかな仕立てになりますが、もちろん酢でもOK! ミカン缶汁も少々加えているため、酢と合わせると酸味が和らぎ食べやすくなります

 

縦割り保育がもたらす食育効果

千葉市立保育所では“縦割り保育”を導入しており、3~5歳の子どもたちがひとつの組として一緒に過ごしています。「小さな子を思いやる気持ちや、一方でお兄ちゃん・お姉ちゃんへの憧れを育み、子どもたちの心の成長にも繋がりますよ」と徳山好子所長。

そのためか、年少さんは年長さんに倣ってお皿に手を添えたり、手に持って食べていました! 食べる姿勢もキレイ。“三角食べ”もしっかり実践。マナーもしっかり身についている子どもたちの姿に驚きました。

 

*****
日々の献立を考えたり、せっかく作った料理を食べてくれないのは、ママたちが抱える悩みのひとつ。しかし食のプロが使う“ちょっとしたコツ”を知れば、そんなストレスも改善されるかも!
本コーナーでは、子供たちの大好きなメニューを知るプロの皆さんに、家庭でもできるコツを伺います。