斎藤一郎鶴見大学歯学部教授、三越伊勢丹ホールディングス、ロッテの共同研究グループは、「笑顔トレーニングとそしゃくを継続して併用することでストレス低減効果がある」ことを確認し、2日、研究成果を東京国際フォーラムで開催された「第17回日本抗加齢医学会総会」で発表した。斎藤教授は、笑顔トレーニングとチューインガムそしゃくの併用について、学術論文の作成と特許出願を行ったことを明らかにした。

三越伊勢丹グループ(G)では、従業員自らが幸せになることで、「お客さまの笑顔と幸せ」を生み出していくことを目的に、2015「笑顔プロジェクト“笑う門には福来たる研究所”」を設立し、全社的な取り組みとして「笑顔トレーニング」を実施してきた。

笑顔トレーニングの効果をさらに高めるため、そしゃくの効用に着目し、6週間の継続したチューインガムそしゃくを、笑顔トレーニング実践中の売場従業員を対象に売場勤務中以外の時間で行った結果、ストレス低減効果が有意に認められた。三越伊勢丹Gではこの成果を基に、笑顔トレーニングとそしゃくを併用した取り組みについて今後拡大する。

研究は約350人規模で実施され、チューインガムそしゃく群において、精神状態(抑うつ・不安)を測定するアンケート方法で世界的に汎用(はんよう)されている、HAD尺度の「抑うつ」「不安」の両項目および職業性ストレス簡易調査票23項目版の「心身のストレス反応」項目でチューインガムそしゃくによって有意にスコアが低下した。

また、チューインガムそしゃく群と対照群で期間前後の変化を比較した結果、HAD尺度の「抑うつ」項目、職業性ストレス簡易調査票の「心身のストレス反応」項目で有意差が認められた。以上の結果から、チューインガムの習慣的そしゃくによってストレス低減効果が確認され、チューインガムのそしゃくは接客業従事者のストレス低減ツールとして活用できることが示唆された。

◇日本食糧新聞の2017年6月9日号の記事を転載しました。