忙しいと、ついついみそ汁をつくることも忘れがちに。でも、簡単で栄養豊富だから、忙しい時にこそ食べたいお料理です。本屋さんで目にとまった料理本『まんぷくみそ汁』(宝島社)。パラパラとめくったら、ちゃんとおみそ汁を作りたいという気分になりました。著者の堤さんに、おいしいみそ汁をつくるコツを伺いました。

みそ汁にオイルを足してみて♪コクが出ておいしくなります

みそ汁は、サラダ感覚で飲んでほしいです。サラダよりも野菜のうま味、おいしさを味わうことができるのがみそ汁だと思います。みそは少なめがおすすめ。入れすぎるとみそが立ちすぎて野菜のおいしさが分からなくなりますし、濃いみそ汁はたくさん飲めませんよね。

通常の割合は、だし1カップにみそ小さじ2杯くらいですが、私はそれよりも少なめにしています。その方がだしと野菜のうま味がおいしく感じられ、最後まで飲み干していただけると思うからです。

最近では具だくさんのみそ汁が流行りですが、つくる方からすると、多くの具材をそろえて下ごしらえするのは大変ですよね。コストもかかります。それよりも簡単につくれること、毎日飲むこと、それを長く続けることが大事です。

この本では、みそ汁にバターやオリーブオイルを入れることも提案しています。オイルをたらすとコクが違ってくるんです。すりごまもいいですよ。これに白いごはんさえあれば、十分に満足感が得られます。

特にこの春から1人暮らしを始める方には、ごはんとみそ汁を基本の食事にしていただきたいです。

遠い地域のみそを合わせるとさらに味わい深く

みそは、全国各地のものが何種類かあるといいですね。信州のみそ、京都の白みそ、麹が強くて甘味のある四国のみそ、赤みそがあれば完璧です。「遠い地域のものを合わせると味わい深くなる」と言われます。私は、旅行に出かけると、だいたいみそを買ってきます。それが楽しみ。

先日、青森に行った際にも、やはりみそを買ってきました。これは一樽限定のおみそで白みそなのですが、甘すぎず、とてもおいしかった。みそを合わせて保存する際には、私は仕切りに昆布を使います。昆布のうま味が出て、みそも味わい深くなります。ぜひ試してみてください。

一般的な白みそは日常的に使うものではないので、使い切れずにダメにしてしまうことも多いですね。その場合は、冷凍してください。冷凍しても固まらず、長く持つので、むしろ最初から冷凍庫に保存しておくほうがいいくらいです。

みそ汁に欠かせないだしですが、「頑張って取らなくちゃ」と気負わなくても、シンプルなもので大丈夫。かつお節だけでも、煮干しだけでもOK。面倒なら、かつお節をそのまま入れて一緒に食べちゃってもいいんですよ。

好みのみそ250gに対し、かつお節を10~15g加えて混ぜ合わせておくと、だし汁を使わなくても、お湯にみそを溶くだけで、かつお節の風味を感じることができます。かつお節にすりごまや煮干しの粉末を加えてもおいしいですよ。

春はさや豆の清々しい香りが好き

私は豆類が大好きなんです。特にさや豆。春なら、きぬさや、スナップえんどう、グリーンピース、そら豆など。清々しい香りが好きです。

京都には、皮も色も薄いグリーンピースがあります。その名も「うすいえんどう」。4月か5月にかけてお店に出てきます。このえんどうを使った「えんどうごはん」は絶品です。子どもの頃は「えんどうごはん」が出てくるとうれしかったですね。東京ではあまり見かけないのが残念です。

野菜は、蒸すのがいいですね。楽です。フライパンにザクザク切った野菜を入れて、風味のいいオリーブオイルと塩と水を少し入れて、フタをして蒸します。これを常備菜としてつくっておきます。1日目はそのまま食べて、次の日はあえ物にしたり、その次の日はサラダにしたり。3日くらいで食べきります。味も、あえ物だったらごまやナムルにしたり、ちくわを入れてみたりと、少しずつ変えながら。

みそ汁にも季節の野菜を使いたいですね。春のにらはやわらかくておいしいので、ひきわり納豆と一緒にみそ汁にしたり、スライスした新たまねぎとつぶしたじゃがいものみそ汁もおいしいですよ。

<プロフィール>
つつみ・ひとみ 京都府出身。身近な食材や調味料で誰でもつくりやすいレシピを提案し、人気を集める。多くの人の心をつかむ料理アイデアに定評があり、企業のレシピ開発や、CMの料理製作なども手掛ける。『豆腐100レシピ』(学研プラス)、『香り野菜が好き!さっぱり、ピリッとクセになる! おかずとおつまみ』(家の光協会)など著書多数。

『まんぷくみそ汁』
堤 人美著/宝島社刊
定価:1,300円(税別)

◇百菜元気新聞の2019年4月1日号の記事を転載しました。