創立120周年を迎えたカゴメは、4月1日に「野菜を好きになる保育園 ベジ・キッズ」を開園した。“乳幼児期の野菜摂取啓発と食育は生涯にわたり、心と体の健康を保つ礎になる”との思いから、味覚形成に大きな影響を与える乳幼児期とその保護者に食育を通じて、健康を支援する取組みで、保育所を設立するのは初となる。

同社東京本社の近隣(中央区日本橋浜町2-1-1)に開園しており、同社従業員や中央区近隣在住・在勤者を対象に、まずは0歳から2歳児19人でスタートする。同保育所を設立することで、「従業員のキャリア形成」と「仕事と家庭の両立」を支援しながら、近隣エリアの待機児童の課題にも貢献を果たしていく。

テープカットにも笑顔があふれる(右から齋藤優子施設長、寺田直行社長ら)

3月19日に開催した同園の開所式で、寺田直行社長は「この保育園設立の第一目的は、子育て期の従業員にとって、働きやすい環境をつくることとなる。併せて所在地の中央区は待機児童が多いエリアのため、地域の人々にも、この保育園をご利用いただくことで社会課題の解決の一助になれば、と設立した。

加えて、野菜の栽培や調理のお手伝いなど『野菜と触れ合える食育』を行うことで、野菜のおいしさや楽しさ、大切さを伝え、乳幼児からの野菜嫌いをなくしていきたい。この野菜を好きになる保育事業は今後、検討していく事業の一つとなる」と語った。

オープンキッチン内外でコミュニケーションしながら、手洗いも

同園は、17年から開始している社内の新事業アイデア募集の最優秀作品となり、「野菜を好きになる」さまざまな工夫が施されている。

その発案者となる飛石希経営企画室経営企画グループによると、「五感で野菜と成長する施設となるべく、中央にオープンキッチンを設置し、調理室と子どもの手洗い場を対面式にするなど、お手伝い意識や日常的に調理シーンに親しむ工夫、野菜のカラフルさを生かした装飾などを施している」という。加えて「カゴメの知見を生かした管理栄養士による野菜を好きになる献立の提供などを行っていく」と語る。

保育の運営委託会社となるポピンズの齋藤優子ベジ・キッズ施設長は「子ども一人一人の考え方や生き方を培っていきたい。保護者や子どもに寄り添いながら、カゴメさまの野菜の知見を生かして、アットホームな園を目指していきたい」と語った。

◇日本食糧新聞の2019年3月27日号の記事を転載しました。