スプーンが立つほど濃厚!心身ともに温まるエルトンスープ【レシピ付き】
こんにちは。オランダ在住の白神です。1月は暦の上では春ですが、まだまだ寒いですよね。これから2月にかけては、さらに寒さが増していきます。そんな寒い季節用に、心身ともに温まるスープが、オランダにはあります。その名もエルトンスープ(Erwten soep)。今回はこの濃厚なスープをレシピ付きでご紹介しますね。
なぜスプーンが立つ必要があるのか?
さてこのスープ。名前はエルトン(Erwten:えんどう豆)スープといいます。ニックネームはSnert(スネルト)。実はこのスープにはバリエーションがあり、冬以外の時期はサラサラのスープで、冬のこの濃厚なスープを指す場合に、Snertと呼びます。しかし近年は、エルトンスープというとほとんどの場合が、こちらのスープを指しますよ。
このスープは、外の厳しい寒さを眺めながら室内でぬくぬくといただくのが一番おいしいです。ご覧の通り、濃厚なスープでこの濃度ゆえにスープの中でスプーンを立てられるのです。長時間煮込むことにより、ジャガイモなどの原料が溶けてこの濃度を作ります。
オランダでは「スプーンが立たずして、エルトンスープとは言えない」と言われているほど、この濃度は重要視されています。食事として出されたり、レストランなどでいただく時も、オランダ人は必ずスプーンを立てて判定を行ってからいただきます。
スプーンが立たない場合どうなるか!「まがい物」に認定されるか、レストランなどでは「返品」する人もいるようです。
エルトンスープは煮込むだけで簡単!
ではエルトンスープを作ってみましょう。野菜を切るのに少し時間はかかりますが、それ以外は鍋に放り込んで、あとはひたすら煮込むだけの簡単メニューです。
正式には、前夜から水につけて戻した乾燥したえんどう豆をゆでたりもしますが、今回は簡単に冷凍のエンドウ豆を使い、別ゆでも省き手軽に作れるバージョンにしました。
【材料】
豚肉(骨付き肉、できればすね肉。スペアリブでも可) 1kg
スモークソーセージ 1kg
エンドウ豆 1kg
ジャガイモ 1kg
ポロネギ 1kg
ニンジン 1kg
カブ 1kg
セロリ 500g
塩、コショウ 少々
上記の材料は、セロリと塩コショウ以外はすべて1kgで。覚えやすくて簡単ですね。セロリは他の材料の半分の量で、塩コショウは、最後の味付けです。
【作り方】
1.骨付きの豚肉を鍋にいれ、水から1時間ほどゆでたら肉を取り出し骨と肉を分ける。
2.すべての野菜をサイコロ大に切る。
3.(1)でできたゆで汁に、まずはエンドウ豆を入れてゆで、順次切った野菜を入れていく。
4.この野菜の中に、(1)で取り分けた豚肉を入れひたすら煮込む。
5.ひたすら煮込んでください。これくらい(3時間)になれば弱火で。
上の写真、かなり煮込んで(約6時間)野菜の色も変わりましたが、まだまだスプーンは立ちません。従って完成とならず。まだまだ弱火で煮込みます。
6.鍋の中でスプーンを立ててみて濃度確認。ここまでの煮込み時間は、大体12時間くらいです。
ついに、鍋の中でスプーンが立ったので、ここで輪切りにしたスモークソーセージを入れて15分ほど煮込みます。スープの濃度が濃くなっているため、焦げ付きやすくなっているので最後の15分はひたすらかき混ぜてくださいね。
オランダ風の食べ方
できたスープをロッゲンブロート(Rogge Brood=ライ麦パン)と、生ハムやチーズと食するのがオランダ風。ハード系のパンでもおいしいですよ!
時間はかかりますが、手間はほとんどかかりません。おまけにほとんど野菜なので栄養満点ですね。今回は、野菜を全て1kgにし、7リットルでできました。野菜の量を半分や4分の一に減らして作ってみても良いと思います。
週末にお子さんと一緒に作るのも楽しいと思いますよ。
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