アサヒビールは国産ホワイトスピリッツの強化に乗り出す。食中酒として伸長するスピリッツ市場を背景に、需要の取り込みを図る。成長率の高い高価格帯では、グループのニッカウヰスキーで製造した高級ジン・ウオツカを6月27日に発売する。「9月には米・欧州でも発売予定だ」(笹原俊一理事マーケティング第三部長)。また、ロングセラーの「ウヰルキンソン」ブランドはリニューアルをかける。

新商品は「ニッカ カフェジン」と「ニッカ ウオッカ」の二つ。「カフェジン」はサンショウやユズなど11種のボタニカル(草根木皮)を使用した。原料の香味を引き出す「カフェ式連続式蒸留機」で製造することで、原料由来の香りと複雑な味わいを実現。さまざまなカクテルのベースに使用できる。

容量は700mlで、アルコール分は47%(「ニッカ ウオッカ」は40%)。希望小売価格は各税抜き4500円。販売は1年間で各1000ケース(700ml×12本換算)を計画。成長率の高いプレミアム市場で売り込みをかけていく考えだ。

さらに、今年発売23年目を迎える「ウヰルキンソン・ジン」「ニッカ ウオッカ」のパッケージを6月20日にリニューアル。業務用市場で生搾りフルーツや茶葉を加えた飲み方提案を実施。現状の5000店から1万店へと間口拡大を図る。17年は同ブランド計で14%増を目指す。

アサヒによると、17年の国内ジン・ウオツカ市場は炭酸で割る飲み方が食中酒として浸透し、1%増で推移。特に、3000円以上のプレミアム帯は9%増と大きく伸長し市場全体をけん引しているという。

◇日本食糧新聞の2017年5月29日号の記事を転載しました。