健康志向の昨今、揚げ物は敬遠されがちです。とはいえ、カツやフライ、コロッケの魅力はあらがいがたい(笑)。私が運営する店舗でも、ヘルシー志向の風潮とは裏腹に「でも、やっぱり食べたい!」として、揚げ物メニューは人気が高いものです。
そんな世のニーズを捉えてか、最近、肉バルなどではノンフライのカツをメニューに加える店が増えてきました。

パン粉を炒めてまぶす“揚げない揚げ物”メニュー

パン粉をこんがり炒め、ミンチ肉やコロッケのタネにまぶす“揚げない揚げ物”メニューです。見た目は確かに、メンチカツやコロッケそのもの。しかし、ボリューム感が足りないなど、まだまだ改善の余地はありそうです。

そこで今回は、味の満足度が高く、手軽に完成するヘルシーなコロッケを考案しました。素焼きにしたパン粉をまぶすノンフライコロッケです。

パン粉をフライパンでじっくり“から焼き”にする

普通のコロッケと同様、みじん切りの玉ネギと牛ひき肉を炒め、ゆでてつぶしたジャガイモと混ぜ合わせて成形し、タネを作ります。

次に、生パン粉をフライパンできつね色になるまで、から焼きにする。これを衣に見立ててタネにまぶすのですが、このとき、生クリームでのばしたチェダーチーズソースを使うのがポイント!

タネをチーズソースにくぐらせ、から焼きにしたパン粉をまんべんなくまぶすというわけです。こうすることで、味にコクと深みがプラスされる。チーズソースのコクとうま味で、本物のコロッケに劣らず、満足度の高い味になります。

チーズソースにくぐらせたタネにパン粉をまぶす

揚げ衣のサクッと香ばしい食感はありませんが、煎ったパン粉をまぶすことで、フワッとしたやさしい口当りになり、これはこれでまた違った魅力です。

何個でも罪悪感なく食べられ、胃にもたれないのも良し。タネとパン粉を作り置きしておけば、簡単に提供できるはずです。

このノンフライの手法は、コロッケだけでなく、さまざまなタネでアレンジ活用してみてはいかがでしょうか。

(飲食店プロデューサー 青島邦彰)

◇外食レストラン新聞の2018年12月3日号の記事を転載しました。