ボンジョルノ! イタリア在住フードライターの鈴木奈保子です。今回ご紹介するのは、イタリアのクリスマスの定番料理ラザニアです。難しそうに見えるけど、市販のラザニアの生地、モッツァレッラチーズを使えば手作りも簡単です。カトリックの国イタリアのクリスマス事情とともに、レシピをご紹介します。クリスマスには手作りのごちそう料理で家族を喜ばせてみたいものですね。

イタリアのクリスマスのご馳走は簡単料理をたくさん用意

カトリックの国イタリアでは、クリスマスは日本のお正月のように大切な日。12月25日は当然祭日なので、クリスマス・イブだけではなく、翌日も大勢で集まって昼食会。

クリスマスが近づくと忙しいイタリアのママ達も、その日に向けてとっておきのご馳走を作るべく大忙しです。家族といっても親戚も一緒に祝うので、10人以上になることがほとんどです。そのために、オーブン料理や作り置きのできる料理など、なるべく簡単な料理をたくさん用意します。

ラザニアはクリスマスの人気パスタ料理

12月25日、クリスマス当日の昼食会で1番人気なパスタ料理はおそらくラザニア料理です。イタリアではクリスマス・イブには魚料理を食べるので、クリスマス当日はお肉の料理と決まっています。

ラザニアは板状の平たいパスタとミートソース、ホワイトソースを交互に重ねてオーブンで焼いたもの。お肉の中でもミンチを使うので経済的だし、なんといっても食べやすいので大人も子どもも大好きな料理。ラザニアなんて難しそう、と思うかもしれませんが、意外にも簡単です。

まず、ラザニア用のパスタは市販ものが売っています。最近では下茹でが不要なタイプも多いので、より簡単です。ただ下茹でがいらないタイプでも、使う前にさっと水に浸したほうが、柔らかく仕上がります。

ミートソースは市販のものもありますが、絶対手作りがおすすめ。手作りといっても材料を入れて煮込むだけなので、ぜひ挑戦してほしいものです。煮込む時間がかかるけれど、特別なテクニックもいらないので失敗なしで誰でもおいしく作れます。当日時間がなさそうなら、前日までに作りおきをしておきましょう。冷凍もできるので便利です。

モッツァレッラチーズを使った簡単料理

そしてホワイトソースの代わりにモッツァレッラを使います。イタリアでも、ローマより南のほうではモッツァレッラを使う地方が結構あります。ホワイトソースのほうが繊細な味わいですが、モッツァレッラを使うと、味がしっかりしていてチーズがとろりと溶け出すので子どもに特に人気です。

もし、フレッシュのモッツァレッラが手に入らなければ、スライスチーズタイプのモッツァレッラチーズを使っても手軽にできます。

イタリア風ラザニアのレシピ

【材料】(4人分)
人参 1/2本
玉ねぎ 1/4個
セロリ 1/2本
あいびきミンチ 300g
白ワイン カップ1/2
トマトの水煮缶 400g
塩 少々
胡椒 少々
ナツメグ 少々
オリガノ 適量
オリーブオイル 大さじ2
モッツァレッラチーズ 250g
パルミジャーノレジャーノチーズ カップ3/4
ラザニア用乾燥パスタ 250g

【作り方】

1.みじん切りにした人参、玉ねぎ、セロリをオリーブオイルとともに厚手の鍋に入れて、弱火で5分ほど炒める。

2.あいびきミンチを加え、色が変わるまでよく炒め、ナツメグ、オリガノ、塩、胡椒を加える。白ワインも加えて、アルコール分が飛ぶまで炒め、小さく切ったトマトの水煮缶も汁ごと加えて約30分ほど煮込む。

※圧力なべを使えば、煮込み時間は約10分に短縮できます。

3.乾燥パスタを必要なら指示通りにゆでる。

4.バター(材料外)をぬった耐熱皿に、乾燥パスタ、ミートソース、小さく切ったモッツァレッラチーズ、パルミジャーノチーズの順に4~5層まで重ねる。

5.表面にパルミジャーノをたくさんかけて、180度のオーブンに入れて約40分焼いたら出来上がり。

いかがですか? 簡単なのに、クリスマスの食卓を盛り上げてくれること間違いなしです。イタリアではパスタ料理ですが、お肉とチーズも入っているので、新鮮な野菜サラダを用意すれば、それだけで十分なボリュームです。簡単なラザニアで、子どもたちの喜ぶ顔とともに楽しいクリスマスをお過ごしください。