【自然薯のおいしい食べ方】ふわふわモチモチになる「あげとろ」
神戸市在住のたべぷろ編集部員の田添マチ子です。今回は兵庫県の特産で、秋から天然物が出回る自然薯(じねんじょ)のおいしい食べ方をご紹介します。
自然薯を初めて食べたのは、神戸のある飲食店でした。「自然薯鍋」というものを生まれて初めて食べたのです。ただの“とろろ”ではない、まるでトルコアイスのような粘り気とその深い味わいに目を見開きました。それからちょくちょく通うようになりました。しかし安くはないのが難点。それで自宅で料理してみようと思いました。
とろろを油で揚げる「あげとろ」
兵庫県神河町は自然薯が特産品です。神河町の自然豊かな環境で、無農薬でじっくり育てられた自然薯は贈答用としても人気。価格も高いです。自然薯1本2000円以上は当たり前! 普通の家庭の夕飯ではチョット…な高嶺の花、ならぬ野菜。
ネット上で探してみると、兵庫県神河町の自然薯のパックを発見! 大喜びでポチッと注文。生のすりおろした天然の自然薯が冷凍された状態で届きました。
自然薯の食べ方といえばご飯の受けにかけるとろろご飯が定番ですが、兵庫ではトロトロの自然薯を熱い油の中に入れて揚げる食べ方があります。
すりおろした状態の自然薯とろろに顆粒だしなどで下味を付けます。今回はセットでついていた「専用粉末スープ」の粉を自然薯1袋に小さじ1杯加えて混ぜました。
油を熱して小さじ1杯のとろろを油の中に投入しました。パチパチといい音がします。しかし不思議なことに固まらない。どんどんお煎餅のように広がっていってしまうのです。
スプーンでかき集めながらきつね色になるまでがんばろうとしました。しかし5分経ってもきつね色に変わる気配がなく、真っ白なまま。
神河町の人たち、いったいどうやってあんなにおいしそうに作っているのでしょう? 結局5分以上揚げたもののそのままかき集めて油を切りました。
見た目がちょっと…ですが、食べてみたらフワフワ、モチモチ! なんておいしいの! という出来上がりになりました。
口の中に入れてしまえば見た目なんてどうでもいいではありませんか。家族もおいしいといって頬張っておりました。コツは油の温度を上げ過ぎないこと、スプーンを活用することです。
お出汁に入れて飲むのもおすすめ
トロトロの自然薯をお出汁にそのまま入れる食べ方もあります。お家にある顆粒だしで作ったお吸い物でもいいです。そのままお好みの量をたら~っと入れるだけです。
とてもシンプルで簡単な食べ方ですが、飾り気のない素材そのままの素朴な味がしっかり味わえるおすすめの食べ方です。お出汁に入れてしまうと粘り気はほとんどなくなってしまい、液体になります。
もしかすると熱が入ると粘り気が弱くなる性質なのかもしれません。自然薯のあげとろで苦労した後なだけに余計においしく感じたのでした。
加工品なら年中、手に入る自然薯
自然薯はそのままでも、熱を通してもおいしく食べられる兵庫県の特産品です。自然薯のおすすめの食べ方はまだまだたくさんあるはずです。また自然薯は成長すると「むかご」というお芋と同様の山の幸としても知られます。
そのまま買うとちょっと高いのですが、すでに生の自然薯をとろろの状態に加工されたものであれば年中必要な分だけ比較的お手頃に購入することが出来ますよ。“高嶺の野菜”と決めつけてしまわないで、ぜひ自然薯を食べてみてくださいね。
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