静岡県在住の元祖農業ガール・藤野いち子です。夏から秋にかけて旬になるいちじく。産地として知られているのは愛知県ですが、私の地元・静岡県でも栽培されています。皆さんは召し上がったことがあるでしょうか。いちじくはペクチンや酵素が多く含まれていることなどから「不老長寿の果物」と言われ、近ごろは美容に関心のある女性にも人気です。
「昔はどの家にも庭にいちじくがあって、食糧難のときよく食べたのよ」と祖母が話してくれた記憶があります。戦中・戦後を生き抜いてきた世代の方々にとっては、懐かしい記憶を呼び起こす食べ物なのかもしれません。さて今回は、静岡のいちじく農家から教えてもらった、完熟いちじくで作るいちじくジャムレシピを紹介したいと思います。

簡単に作れるいちじくジャムレシピ

いちじく生産者さんから教えてもらったことを参考にして、この時期、藤野が週に一度は作っているジャムレシピです。いちじくはペクチンを多く含んでおり、またペクチンを含むレモン汁も入れるため、しっかりととろみもつきます。

【材料】
完熟いちじく 1.5kg(皮をむいたもの1kg)
砂糖 250g
レモンの絞り汁 30ml

【作り方】
1.いちじくの皮をむきます。まずいちじくを手で二つに割り、内側に傷みがないか確認します。傷んでいる部分や種が茶色くなっている部分があれば取り除きます。そのあと皮をはがします。

スプーンなどを使ってむく方法もありますが、手でむいたほうが楽です

※いちじくを触る場合、必ずビニール手袋を使います。衛生上はもちろんですが、いちじくの切り口からにじみ出る白い樹液に触れないようにするためです。いちじくの樹液にはたんぱく質分解酵素「フィシン」が含まれているため、樹液が付くと皮膚がただれる場合があります。うっかり樹液に触れてしまったら、早めに洗って落とすようにしましょう。

2.いちじくを鍋に入れ、上から砂糖をふりかけて、水分が出るまで2~3時間おきます。

3.焦げないように(2)をかき混ぜながら強火にかけます。沸騰すると表面にあくが浮いてくるので、こまめに取り除きます。鍋が焦げ付かないように、レードル(おたま)などでかき混ぜ続けます。

4.水分が減って若干トロトロになってきたら弱火にし、レモンの絞り汁を入れてよく混ぜます。

レモンの絞り汁を入れることでいちじくジャムの発色が良くなりますし、酸味で味が引き立ちます。レモンの絞り汁は好みで増やしてもOKです。

5.最後に鍋をよくかき混ぜながら水分を飛ばし、好みの硬さに仕上げます。

ジャムは冷めると硬くなるので、熱いジャムをどの硬さまで煮詰めたらいいのか分からない場合は、小量を小皿に取り分けて冷まし、その硬さを参考にするとよいです。

私の経験上、皮をむいたいちじく1Kgで作れば、大体700gのジャムができます。

いちじくジャムの食べ方とたくさん作った場合の保存方法

さて完成したいちじくジャム。パンに挟んだりヨーグルトに混ぜたりして味わいましょう。いちじくジャムはクリームチーズとの相性も抜群なので、一緒にいただくのもおすすめです。

ほかにも、パウンドケーキを焼くときに砂糖の半分をいちじくジャムに置き換えています。レーズンやクルミなどと一緒に市販のドライいちじくを練りこめば、いちじくのプチプチ食感も楽しめるいちじくパウンドケーキになります。どうぞお試しください。

なお、たくさん作ったから食べきれない! 保存したい! ということもあると思います。その場合は煮沸消毒したビンにジャムを入れてフタをしたあと、さらにビンごと30分間煮沸消毒をします。

余分な空気を抜いたらしっかりフタを締めなおして、アツアツの瓶を裏返しフタを下にして、全体が冷めるまで置きます。

煮沸消毒が済んだいちじくジャムのビン。ひと手間かけて長く楽しみます

この方法で、しばらくビンのまま常温保存ができます。ただしあくまで個人の台所での作業なので、煮沸消毒を失敗する場合もありえます。保存していたジャムを使う際には、状態やにおいなどをしっかり確認して使ってくださいね。

完熟いちじくは樹になったまま割れる

いちじくの木は空に向かって長い枝が伸び、等間隔に葉っぱがつきます。その葉っぱ1枚につき1コのいちじくが実ります。枝の付け根部分から順番に熟していくんですよ。中が見えない果物なので、農家の方はよく観察しながら見極めて収穫するそうです。

空に向かって伸びる枝にいちじくがなっています

しかし収穫期を半日でも逃してしまうと、樹になったまま完熟してバカッと割れます。割れたいちじくはおいしいのですが、糖度が高くてすぐに傷みがくるため、残念ながら市場には出せないそうです。

樹の上でパカッと割れた完熟いちじく

いちじくの生産が盛んな地域では、格安で完熟いちじくを直売している生産者も多いと思います。見つけたらぜひ手に入れてください。その甘さといい新鮮さといい、たまらないおいしさですよ。