昭和女子大学現代ビジネス研究所は4月14日、初の試みとして「首都直下型地震発生時の食事について」と題し、同大学内(東京都世田谷区)で講演を行った。昨年の熊本地震から丸1年が経過したことに合わせ、防災力の向上を目的としたもの。

古田土俊男特別研究委員は「震災時はショック状態から立ち直るために、非常食ではなく普段食べているものを少し多めに備蓄しておくことが重要」と強調した。湯煎した炊飯方法など、災害時に役立つ調理法も実演。学生や世田谷市民ら70人が参加した。

講演では、アサヒグループホールディングスCSR部門の松沼彩子マネジャーをはじめ、防災や災害支援の分野からパネリストが登壇。それぞれの視点から議論を深めた。松沼マネジャーは「熊本地震の際に、支援物資がすぐに届かないことを実感した。自分で食糧や水を備えることが重要」と考えを示した。

調理実演ではポリ袋を使った、ご飯や親子丼、蒸しパンのレシピを紹介。電気・ガスがストップした場合を想定してメニューを開発した。

ご飯の調理法は、厚さ0.02mm以上のポリ袋に精白米と水を入れ、口を縛り約20分間湯煎にかけた後、蒸らす。試食した参加者からは「災害時の食事とは思えないほどおいしい」「湯を無駄にしないために、味噌汁で湯煎してみては」といった意見が聞かれた。

震災時の食事について講演

◇日本食糧新聞の2017年5月1日号の記事を転載しました。