北欧在住フードコーディネーターの佐々木沙恵子です。北欧デンマークに住み一年ほど経ちました。現地の食生活にも慣れましたが、やっぱり日本人としては海外でも日本食が恋しくなります。海外でも日本食材は売っていますが、手に入らない食材が多く日本と同じように作れない料理も…。今回は北欧の食材を使って作る見た目華やかな海鮮ちらし寿司のレシピをご紹介します。

魚介類が貴重な北欧のスーパーで簡単に手に入るキャビア

最近はヨーロッパで日本食がブーム!その影響もあり北欧諸国やデンマークでも寿司が流行っています。醤油・寿司酢・わさび・米など、日本よりは割高ですが日本食の食材がローカルのスーパーでも手に入ります。

ただ、酪農国のデンマークでは魚より肉を食べる人の方が多いので、日本に比べると売っている魚介類がとても少ないうえに値段も高いです。特に、生で食べられる魚はわざわざフィッシュマーケットに行かないとなかなか手に入りません。

そんな北欧のスーパーで、唯一日本より手頃な値段で手に入りやすいものがキャビア!黒い色だけでなく、赤や緑の色なども売っており、大きさも日本でも食べられる小さなキャビアから、いくらのような大きめのものまでさまざまです。

北欧のキャビアとは、日本で言う高級なチョウザメの卵だけでなく魚全般の卵を指すので、「キャビア」と一言で言っても幅広いですが、魚介類が手に入りにくいデンマークでいくら風の味が楽しめるのは嬉しいです。デンマークでは伝統料理のオープンサンドイッチ、スモーブローのトッピングなどに使われています。

北欧の食材で作る日本食!華やか海鮮ちらし寿司のレシピ

それでは、このキャビアと同じく北欧で手に入りやすいスモークサーモンを使って海鮮ちらし寿司を作ってみましょう。

ちらし寿司の定番の食材、干し椎茸やれんこんなどはデンマークでは手に入りにくいので、限られた材料でも華やかに見えるよう盛り付けを工夫します。

<材料(2~3人分)>
◯酢飯
・米 … 2合
・寿司酢 … 米酢60ml、砂糖大さじ1、塩小さじ1

◯錦糸卵
・卵 … 3個
・砂糖 … 小さじ2
・塩 … ひとつまみ
・サラダ油 … 適量

・きゅうり … 1本
・スモークサーモン … 40g
・キャビア(いくら)… 適量
・ごま … 適量
・刻み海苔 … 適量

<作り方>

1.米2合を硬めに炊き、熱々のままボウルや桶に移して寿司酢を加え、しゃもじで切るように混ぜます。上から布巾をかぶせて5分ほど置き、ごまを入れて再びしゃもじで切るように混ぜます。
最初は多少水分が多いかな?というくらいでも、時間が経つと寿司酢が米に染み込むのでちょうど良い加減になります。

2.中火に熱したフライパンに砂糖と塩を加えた溶き卵を流し込んで薄焼き卵を作り、細切りにして錦糸玉子にします。

3.きゅうりはピーラーで薄切りにし、端から巻いて筒状にします。

4.スモークサーモンは斜めにカットして、尖っている方から巻いてお花の形にします。

5.酢飯の上に刻み海苔、錦糸玉子を乗せ、中心からスモークサーモン、きゅうりを放射状にお花をイメージして並べ、仕上げにキャビア(いくら)を乗せて完成です。

海外でも手に入る少ない材料で作る、見た目も美味しい華やか海鮮ちらし寿司。下ごしらえも簡単で、もちろん日本の食材でも作っていただけます。ぜひ作ってみてください!

6月27日はちらし寿司の日!由来はどこから来てる?

酢飯に細かく切った具を混ぜ込んだり、いろいろな具を散らして作るちらし寿司。地域によって呼び方や作り方は変わりますが、なかでも「ばらずし」は、岡山県を代表する料理の一つです。

江戸時代の備前岡山藩主の池田光政が、倹約のために食事は質素な「一汁一菜」にするよう命じました。それがきっかけとなり、庶民がご飯に様々な具を混ぜ一度に食べられるように工夫し、ばらずしが生まれたそうです。

最近ではひな祭りのイメージが強いちらし寿司ですが、池田光政の命日である6月27日にちらし寿司の日が制定されました。

参考サイト :ちらし寿司の日が6月27日なのはなぜ? 食育大事典