石川県金沢市のお隣にある河北郡在住の北陸家庭料理研究家・大象みかです。富山県氷見市は海の幸が豊富です。石川県のスーパーでも氷見の魚が並ぶことがあります。今回は氷見で獲れたいわしと、生姜を使って、いわしの酢醤油煮を作ってみます。さらに子供も食べやすい丼物にアレンジします!

生姜は調味料としても、食材としても使えます!

皆さんは家に常に生姜を常備していますか? 生姜は、生姜湯にして飲めば体を温めることもできますし、肉や魚の臭みを消すのにも使えますね。

生姜はなんと奈良時代から神様への供え物として献じられ、6月15日に感謝の祭りが行われてきたそうです。そして生姜の研究や商品開発を行っている食品メーカーの永谷園が、生姜の魅力を知ってもらうきっかけの日にしようと願い、6月15日を生姜の日に制定しました。

6月15日は「生姜の日」(永谷園)

さらに驚くことに、生姜は石川県金沢市とゆかりがあったのです! 金沢には「波自加彌神社(はじかみじんじゃ)」という神社がありますが、「はじかみ」とは生姜の古名です。6月15日に波自加彌神社では生姜をお供えして、「はじかみ大祭」が行われています。

はじかみ大祭(しょうが祭り) 波自加彌神社

生姜を活かしつつ、北陸ならではの海の幸を使った料理を作りたいと考えて、氷見で獲れたいわしの酢醤油煮を作ることにしました。

さらに、「煮魚では子供が食べてくれない」とお悩みのお母さんにもお勧めの「いわしの酢醤油煮丼」に変化させます。色合いも綺麗でお子さまも喜びますよ!

いわしの酢醤油煮のレシピ

【材料】(2人分)
・いわし 2尾
・生姜 1かけ
・ネギ 5cmくらい
・昆布 5cm×10cmくらい
・水 400cc
・酢 150cc
・醤油 大さじ2
・砂糖 大さじ2
・みりん 大さじ3

※他にアレンジレシピの材料も写真に写っています。

【作り方】
1. 包丁の背を使って、いわしのうろこを落とします。いわしは頭とはらわたを取って、よく水洗いします。

2. 鍋に水と酢を入れ、沸騰してからいわしを入れて4~5分煮ます。余計な脂分が浮きますので、煮汁を半分捨てます。
また、いわしを煮ている間に、生姜を薄切りにしておきます。

3.鍋に生姜、昆布、ネギ、砂糖、醤油、みりんを入れて、40分ほど煮込みます。煮汁にとろみをつけるため長く煮ます。

4.煮汁をおたまでかけながら煮ます。途中、いわしをひっくり返したほうが味がしみ込みます。煮汁が少なくなったら出来上がりです。

生姜と一緒にいわしを味わってみましょう!

いわしと一緒に、煮込んだ生姜も盛り付けてみました。いわしは脂が乗っている魚ですが、酸味のある煮汁で煮込んであるので、サッパリとした味になります。昆布、砂糖、みりんも入っているので、甘酸っぱい優しい味に仕上がりました。

生姜を食べてみると、ポリポリとして漬物のような食感が楽しめます。生姜は魚の臭みを消すだけではなく、食材としてもおいしく味わえますね。白いご飯とも合いそうなおかずになりました。

圧力鍋を使うと、さらに早く煮えるでしょう。酢と一緒に梅干しを入れて煮ても違う味わいが楽しめますよ。

彩り豊かな三色丼にアレンジ!

「ボリュームのある晩御飯にしたい!」とお考えの主婦の方、いわしの酢醤油煮を“丼物”に変化させますよ!

【材料】(2人分)
・いわしの酢醤油煮 1尾分
・生姜 (先程とは別の、生の生姜を用意します)
・いんげん 2/3袋くらい
・卵 2個
・大葉 6枚
・三つ葉 少々
☆水 100㏄
☆砂糖 大さじ2
☆醤油 大さじ1
○砂糖小さじ1

【作り方】

  1. ☆を鍋に入れて煮立たせて、いんげんを軟らかくなるまで煮ます。
    この煮汁が重要なので取っておきます。
    いんげんは斜め切りにしておきます。
  2. 卵を割って、○を入れて、いり卵を作ります。
  3. 生姜は皮をむいて細切りに、大葉も細切りにします。三つ葉は飾り程度に切っておきます。
  4. いわしの酢醤油煮は、食べやすい大きさに箸でほぐしておきます。
  5. 丼にご飯をよそい、(1)の煮汁を2/3程度、ご飯にかけます。
  6. ご飯の上に、(1)(2)(4)を盛り付けて、いわしに生姜を振りかけます。いわしにも(1)の煮汁を1/3ほどかけます。真ん中に大葉を乗せ、三つ葉を飾って出来上がりです。

いわしの酢醤油煮だけだと酸っぱく感じるので、いんげんの煮汁をご飯やいわしにかけてあります。この甘みが三色丼のポイントです。いわしに生姜を乗せて食べると、生姜のさっぱり感で丼物もあっさりと食べられます。大葉といわしを一緒に食べると、大葉の香りで違う風味も味わえます!

生姜は食べてもおいしいので、ぜひ、いわしの酢醤油煮を作って、翌日は生姜の細切りを乗せて、丼物も作ってみてください。新鮮で大きめのいわしを見つけたら、チャレンジしてみてくださいね。