パセリはベータカロテンやビタミンCなどが豊富な緑黄色野菜で、価格も年中安定しています。彩りとして添え物にしたり、ハーブ的に用いたり、刻みパセリにして挽き肉に混ぜ込んでミートボールなどにしたり、何かと重宝する野菜です。
しかし、八百屋やスーパーマーケットでパセリを買うと、少人数の家庭ではあまり量を使わないため、すべて消費するまでにパセリが傷んでしまったという経験はありませんか?
また、包丁でいちいち細かく刻んで刻みパセリを作るのも、ちょっと面倒ですね。

冷凍庫とビニール袋があればOK♪「刻みパセリもどき」の作り方

そこで、包丁を使わなくてもできる「刻みパセリもどき」の作り方をご紹介します。使うのは冷凍庫とビニール袋だけです。

<1>軸から葉をちぎり取ったパセリを、洗って水気を切ります。

<2>ビニール袋(スーパーマーケットで無料で手に入るポリ袋で可)に入れ、袋の口を縛ったり、クリップや洗濯ばさみなどで閉じたりして冷凍室に入れます。

<3>カチカチに凍ったら、袋を手でクシャクシャにします。すると、パセリの葉が砕けて粗みじん切りのような状態になります。

<4>再び冷凍庫に入れて凍らせ、同様のことを何度か繰り返すと、細かい「刻みパセリもどき」ができ上がります。

これは、袋のまま、冷凍室で1〜2か月くらい保存できますし、いろいろな料理に混ぜたり振りかけたりして用いることができます。ここではその一例として、「たらのパセリ衣天ぷら」をご紹介します。

たらのパセリ衣天ぷらのレシピ

〈材料・2人分〉
たら切り身…2切れ
天ぷら粉…50g
刻みパセリ…大さじ1
水…100cc
揚げ油…適宜
めんつゆ…適宜

〈作り方〉

  1. たらを一口大にカットする。
  2. 天ぷら粉、刻みパセリ、水を混ぜ、衣を作る。
  3. (1)を(2)にまぶし、フライパンか鍋に油を170〜180度に熱した中に入れて揚げる。
  4. 器に盛り、めんつゆにつけていただく。

今回は刻みパセリでしたが、代わりに青のりやアオサでも、香りが良くておいしいです。

余ったパセリの軸も料理に!

先ほどの冷凍刻みパセリを作る工程で、パセリの軸を取り除きました。この軸もそのまま捨てるのはもったいないです。

私は、スープのブーケガルニの代わりなどに使っています。ゆで鶏を作る際、ゆで汁の中に一緒に入れると、ハーブの役割を果たしてくれます。

ゆで鶏のレシピ

〈材料〉
鶏胸肉…1枚
水…鍋に鶏肉が浸かる程度
酒…大さじ1
塩…小さじ1
パセリの軸…冷凍刻みパセリを作った時に余った分

〈作り方〉
1.鍋に水、酒、塩、パセリの軸を入れて中火で沸騰させる。
2.(1)が沸いたら鶏胸肉を入れ、再び沸騰し、アクが出たらすくい取り、弱火で10分ゆでる。

3.10分経ったら火を止め、鶏肉は2から取り出さずに入れたまま冷めるまで放置する。
4.(3)が冷めたら鶏肉は冷蔵庫に保存し、適宜カットして用いる。写真はスライスしてゴマドレッシングをかけ、パプリカパウダーをふったもの。

5.鶏肉を取り出したゆで汁は捨てずに、スープとして用いる。写真はゆで汁からパセリの軸を取り出し、青梗菜、にんじん、玉ねぎを加えてゆで、溶き卵を流して固め、ごま油を一たらしして器に盛り、冷凍刻みパセリを散らしたもの。

家庭の料理を楽しく調理するために

ご家庭の食事作りを担当しておられる方、毎日の料理作り、楽しんでいらっしゃるでしょうか?

私も夕食は家族の食事作りを担当していますが、毎日違う献立を立てて調理することを、楽しみながら続けています。それはきっと、毎回高齢の両親が「おいしい」と言って、しっかり食べてくれるのがうれしいからなのだと思います。

日々の料理を「楽しく」作るなんてとんでもない。毎日必死で時間との戦いだ。料理の後も後片付けがあって、それを済ますとぐったりだ-という方も多いと思います。それでも、家族が残さず食べてくれたら、なんだか満たされるし、明日への活力にもなっているのではないでしょうか。

とはいえ、毎日の料理作りにあまり手間をかけていたら、本当に疲れてしまいます。手抜きとは言わないけれど、簡単で便利な調理術があったら、少しでも覚えたいものです。

今回ご紹介した、家庭料理作りに役立つ小さなアイデアや、手抜きではない簡単テクニックをいくつも手に入れておくと、料理の手間も省け、料理作りに自信と余裕ができてきます。

作っている人に余裕があると、食べる家族にも自然な笑顔が生まれます。その笑顔は作った側にとってはうれしいものであり、次の料理作りの励みになります。キッチンと食卓から、そのような笑顔の連鎖が生まれると、日常の生活が幸せになってくるような気がします。