佐賀県神埼市在住のほどほど頑張る料理好きライター・イワハシです。佐賀は農業が盛んな県だけあって、美味しいフルーツもたくさん採れます。特に私が昔から大好きだったのが「苺」で、小さい頃は小さなお椀に盛られた苺に練乳をかけて食べるのが大好きでした。
佐賀県内のスーパーでは佐賀が生んだブランド苺「さがほのか」を中心に、たくさんの苺が出回っています。そこで今回は今がおいしい佐賀の苺「さがほのか」をさらにおいしく食べる方法や意外なアレンジ方法を紹介していきたいと思います。

「さがほのか」ってどんな苺?

ところで、「苺」と聞くとシーズンは冬のようなイメージがありますが実は4~5月が旬の果物であるとご存知でしたでしょうか?クリスマスなどの需要もあり、出荷量こそ12月が多いのですが、実は本当に苺の美味しさが味わえるのは春なんです。


今はいろんな名前の苺がありますが、その中でも「さがほのか」ってどのような特徴を持つ苺なのか紹介したいと思います。

「さがほのか」は佐賀県で約20年前に誕生した苺です。佐賀県内での生産はもちろん九州各地、そして全国的に生産が行われている超メジャー品種ですね。特に西日本にお住まいの方には馴染みのある苺なのではないでしょうか。

そんな「さがほのか」の特徴は香りと甘味です。「ほのか」というネーミングですが、香りはほのかに感じる、というよりも他の苺より香りが強く感じられます。味覚だけでなく嗅覚でも楽しむことが出来ますね。

そして甘味もとても強く多汁なのでとてもジューシーな味わいです。甘味が強い代わりに酸味は少し控えめ。なので練乳や砂糖などをかけなくても甘い味わいを楽しめる品種なのです。

そんな酸味が少なく風味も甘味も強い「さがほのか」は、ジャムやケーキのトッピングにも向いていますが、旬の時期はまずはそのままで食べてもらいたいですね!

その洗い方で大丈夫? 味が落ちる場合も

そのままで美味しく頂くことが出来る「さがほのか」ですが、実はちょっとしたひと手間でさらに美味しく頂くことが出来ます。それは「洗い方」と「食べ方」です。

まずは苺の洗い方についてです。苺を食べる際に、ボウルにあけて流水でジャーっと洗っている人はいませんでしょうか? 実はその洗い方はNGなんです。

あまり水の流れが強すぎると表面に傷がついてしまい、傷から風味や甘味が逃げていってしまいます。ボウルに水を張り、軽くかきまぜる程度で十分に汚れは落ちていきます。できるだけ傷をつけないようにゆっくりと洗いましょう。

洗い方のもう一つのコツは、ヘタをつけたまま洗うことです。実は苺は非常に水を吸いやすい果物なので、ヘタを取った状態で水洗いをしてしまうと水を吸ってしまい風味が落ちてしまいます。それだけでなく、ヘタの部分からビタミンCなどの栄養素も流れ出てしまうので、絶対にヘタは取らないようにしましょう!

次は美味しい食べ方です。実は苺は食べ方によって味が変わるって知っていました?

食べる順番は先から? それともヘタの部分から?

まず、ヘタは食べる直前に取るようにしましょう。鮮度を可能な限り保っていた方が美味しいですからね。

そして食べる方向にもひと工夫。実は苺の甘みはヘタの部分から先端にかけて段々と強くなっていきます。なので先端から食べてしまうと最後に口に感じる甘味が少なくなり、ちょっと残念に感じてしまいます。

このようにヘタが付いていた方から食べ始め、最後に先端を食べる食べ方の方が口の中に苺の甘みを多く感じ、後味にも満足します。私も食べ比べをしてみましたが、最後に先端を残した方が食後の幸福感が大きかったです!

「さがほのか」は比較的粒が大きめなのでお子様などひとくちでパクっと食べない場合はこの食べ方がおすすめです。

佐賀県民もびっくりのアレンジ! 「海苔いちごジャム」を作ってみよう

苺がたくさん手に入ったらジャムにするという人も多いのではないでしょうか?さがほのかは甘みが強いので砂糖を控えめにしてもしっかり甘いジャムを作ることができます。

アレンジする場合はもちろんシンプルな苺ジャムもおすすめですが、ジャム作りの際にぜひ一度試してほしい食べ方があります。それは、「海苔いちごジャム」です!

佐賀県では一般的、というわけではありませんが実際に佐賀県の小城市にあるお店に「海苔いちごジャム」を販売しているところがあります。

見た目は完全に海苔の佃煮なのに味は苺ジャムという斬新すぎる商品が話題になり、全国ネットのTV番組で取り上げられたこともあります。

材料は「海苔・苺・砂糖・レモン汁」ととてもシンプル。商品レシピは公開されていませんが、今回はこの海苔いちごジャムをさがほのかを用いて私なりに作ってみましたので作り方を紹介いたします!

苺ジャムを作るついでに出来ますので良かったら試してみてください。

海苔いちごジャムの作り方

まずは苺ジャムを作ります。材料は以下の通りです。

・さがほのか 1パック(約300グラム)
・砂糖 90グラム
・レモン汁 大さじ1

1.はじめに、よく洗って水気を拭き取ったさがほのかを2つに切り分けてボウルに入れ、砂糖を入れて2~3時間ほど置いておきます。

2.しばらくすると上の画像のようにさがほのかからたっぷり水分が出てきます。この状態になったら鍋に入れて火にかけます(はじめから鍋に入れておいてもOKです)。

3.最初は中火にかけ、砂糖をすべて溶かします。その後火を強めてアクを取ります。アクが取れたら弱火にして20分程度焦がさないように煮詰めていきます。

果実感を残したい場合はそのままかき混ぜて、ペースト状にしたい場合は果肉を潰しながら混ぜていきます。今回は後ほど海苔と混ぜるので潰しながら混ぜていきました。

4.20分ほど煮詰めると水分がなくなってきます。最後に火を止めてレモン汁を投入し混ぜて完成です。

5.このような感じになりました。1パックで200グラム前後できます。もし瓶に入れて保存したい場合は、熱いうちに煮沸消毒した瓶に素早く入れて蓋をしましょう。

次に味付け無しの海苔の佃煮を作ります。材料は以下の通り。

・乾海苔(焼き海苔) 全形3~5枚ほど
・水 約200cc

6.作り方は非常に簡単です。鍋に海苔を千切っていれ、水を加えて海苔を溶かしていきます。水は海苔が全部溶けるくらいの量を適宜調整してください。

上記の海苔の量では200ccほど入れれば十分に溶けました。

7.その後、水分が飛ぶまで煮詰めていきます。佃煮を作る場合は調味料を加えていきますが今回は何も入れません。

上画像のように十分に水分を飛ばすと海苔の佃煮(味なし)の完成です。上記の材料で約100グラムほど出来ました。

そしてここから最後の仕上げです。

8.できた海苔の佃煮の中に作ったいちごジャムを投入していきます。投入する量はお好みで構いませんが、100グラムに大さじ2~3杯程度で十分です。

9.投入したら弱火にかけながらしっかりと混ぜ合わせていきます。なじませるために少量の水を加えてもいいでしょう。しっかり混ざったら「海苔いちごジャム」の完成です!

完成した海苔いちごジャムはこのような感じになります。見た目は完全に海苔の佃煮です。ご飯にかけたくなってきますが、材料で分かる通り味は甘いのでご飯には100%合いません。

ジャムとしてトーストなどに使用してくださいね。

トーストに塗るとこんな感じです。見た目はどう見ても海苔の佃煮。ちょっと食べるのをためらってしまうようなビジュアルですね。

肝心の味ですが、口に入れた瞬間は磯の香りがふわっと広がりますが、その後は完全にいちごジャムの味です。ですが食感と見た目は海苔の佃煮なので頭が混乱してしまいます。

ですがミスマッチというわけではなく、不思議と食べ進めてしまう魅力を感じる味なのです。ハマる人はドハマりする味かもしれません。

一度試してみる価値ありです!ぜひいちごジャムを作る際は試してみてくださいね。


アレンジして楽しむにしても、素材の味を楽しむにしても今の時期が一番いちごの美味しさを味わうことが出来ます。

この機会は、ぜひ佐賀の誇るブランド苺「さがほのか」の味を体験してみて下さいね!