広島駅の売店で販売されている「清盛瀬戸の彩り弁当」。2012(平成24)年の大河ドラマ「平清盛」の放送を記念して発売されました。当初は放送期間限定の販売予定だったのですが、定番の品に“昇格”した実力派です。平清盛と縁が深い瀬戸内の海の幸をはじめ、広島の郷土の味が味わえる人気駅弁をご紹介します。

中身は彩り豊かな本格派

持ち運びやすい18㎝角のコンパクトなサイズ

パッケージには平清盛ゆかりの地である宮島と音戸(おんど)の風景、大河ドラマが放送された年に誕生したキャラクター「ひろしま清盛」がプリントされています。

蓋をとると全体にビニールがかぶせてあり、その上にお手拭きとお箸が置いてあります。購入後1時間以上持ち歩いたにもかかわらず、おかずもご飯もお行儀よく並んでいます。

中身は片寄っているに違いないと諦めていたので、この乱れのない状態に驚きと感動がこみ上げました。目でも楽しみながら食べるって、気持ちがあがりますよね。

「清盛ゆかり」の味を堪能

20種類以上の食材を使った、名前通り彩り豊かな弁当

お品書きは次の通り。

まずは清盛にちなんだ瀬戸内海の味から、
・たこの煮物(瀬戸内海産のたこを使用)、たこ飯
・小イワシの南蛮漬(瀬戸内海産の小イワシを使用)
・じゃこの煮物(音戸産ちりめん使用)

清盛の好物と言われている、
・スズキの塩焼き

広島名物も味わいたい、
・穴子飯や広島菜漬

平安後期の人々も食べたといわれる、
・鴨、黒豆、ひしお味噌、桃の甘露煮、赤飯など。

海の幸、山の幸がふんだんに盛り込まれた内容になっています。

広島に来たら、ぜひ食べたい穴子飯。穴子はふんわりとやわらかで、タレの味がしっかりとしています。

広島は瀬戸内海でも有数のタコの産地。タコ飯は地元でも人気のメニューです。タコの旨味がしっかり染み込んだご飯がたまらなくおいしい。

清盛の好物だったというスズキの塩焼き。しっかりと脂がのっていて、塩加減も抜群でした。

その横にあるキノコの形をしているもの。食べるまでわからなかったのですが、なんと蒲鉾でした。しかもただのキノコではない!「松茸」を模していたのです。食べると松茸の風味がする、小さいのにパンチの効いた一品でした。

デザートはこちら。一見梅のようにみえますが、桃の実です。春ごろに実をつける桃。摘果した桃の赤ちゃんを、シロップ漬けにしたものです。中四国地方では古くから食べられており、お節料理に欠かせない品です。

まだ種もやわらかい時期に収穫された桃のシロップ漬けは、食べると桃の香りが鼻へと抜け、口の中に上品な甘さがひろがります。

人参の飾り切りも、広島らしくもみじの形をしています。こういうひと工夫が、旅の気分を盛り上げてくれますよね。ポイントの高い演出です。

地元民もお墨付きのコスパの高さ

コンパクトに見えるがご飯の総量は約200gあり食べ応え十分

いろんな食材が少しずつ楽しめる「清盛 瀬戸の彩り弁当」。そのコンパクトな見た目から「物足りないかな?」と考えていましたが、食べると全体のバランスも良く、食べ応え十分なお弁当でした。

お弁当にありがちな濃い味付けの物はなく、上品な味で最後まで飽きることなくおいしく食べることができました。1080円でこの味とボリュームなら、地元に住む私は普段使いに買ってもいいかもと思いました。

お弁当売り場では地味な存在ですが、選んで間違いのない何度も食べたくなるお弁当です。

郷土の味をたっぷりと味わいたい人も、広島の酒と瀬戸内の料理を楽しみたい人も。どちらも満足すること間違いなしですよ。

オシャレ(カワイイ) ★★★☆☆
コスパ        ★★★★☆
ヘルシー       ★★★★★
食べやすさ      ★★★★★

※星は5点満点

<販売情報>
「清盛瀬戸の彩り弁当」
価格:1080円(税込)
主な販売駅:広島駅
製造:広島駅弁当株式会社(082-286-0181)