グルテンフリーに代表されるアレルギー物質27品目はもとより、乳化剤、増粘類など食品添加物不使用の「バリアフリーパン」が29日誕生する。発売元は結婚式場やレストランを展開するリビエラグループで、食品調理技術ベンチャーのコスモバイタルと共同開発した。

同日、東京・池袋のリビエラカフェ「グリーンスタイル」で発売。東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会開催による訪日外国人増加を視野に、観光業界を中心に注目される食品アレルギー対応を目指す。
今回発売するのは、「バリアフリーパン」ほか「グルテンフリー食パン」「オイルフリー食パン」の3品。

バリアフリーパンは、小麦粉や大豆、卵など消費者庁がアレルギー物質として表示する特定原材料27品目をすべて除いた。リビエラ東京敷地内に専用工房を構え、アレルゲンが一切混入しないよう、専門スタッフ以外は立ち入り禁止としている。

一方、グルテンフリーパンはこれまでもあったが、米粉主体の生地を立体的に膨らませるため、増粘多糖類や油脂の力を借りるケースが大部分だ。だが、グルテンフリー食パンは、通常の米粉に特殊加工した米粉「VISCOme(ヴィスカム)」を混ぜることで、こうした添加物を不要とした。製造はコスモバイタルが福岡県に設立した工房で米粉製粉から一貫して行い、ふっくらしたパンが焼ける独自開発焼成器で焼き上げる。

「オイルフリー食パン」は、パン生地の潤滑油となる油脂を使わず伸びがよく、ふっくら食感を実現。VISCOmeを小麦粉に混ぜることで、バターやマーガリン、ショートニングなど油脂類のほか乳化剤など添加物も不使用とした。

この3品はそれぞれ機能が異なるが、おいしさを確保した点で共通。秘訣(ひけつ)はVISCOmeの使用にあり、コメを低酸素焙煎(ばいせん)し、粉末にして製造し、粘りと保水性が得られる特徴がある。

◇日本食糧新聞の2018年1月26日号の記事を転載しました。