神戸市在住のたべぶろ編集部員の田添マチ子です。ここ神戸もグッと寒くなり、もう温かいものしか食べたくない気分。夏の間は閑古鳥が鳴いていたラーメン屋も大賑わいです。寒い時に温かいラーメンが胃袋に入っていく瞬間は、至福のひと時でございますな…。今回ご紹介するのはちょっと変わったラーメンです。その名も「明石のりラーメン」。袋には明石海峡大橋が描かれています。

美味しい海苔の産地・明石市

兵庫県明石市といえば、明石海峡大橋があり、子午線が通っている町として有名ですが、海苔の産地でもあります。明石市の前に広がる播磨灘で明石海苔が養殖されているのです。晴れた日に海沿いをドライブすると、きらきら光る海に海苔の養殖場が見えます。「明石のりラーメン」の麺には、この明石で採れた海苔が練りこまれているのです。明石市にある醤油蔵の西海醤油では「醤油味」と「塩味」の2種類を販売しています。では早速開けてみましょう。

開けてビックリ!これって本当にラーメン!?

「海苔が練りこまれたラーメンってどんなのだろう♪」とワクワクして開けてみました。ご覧ください。

普通のラーメンの麺は黄色か卵色ですよね。しかし、「明石のりラーメン」はこのような色をしています。ラーメンらしい色ではありません。先日仙台で食べた、お茶が練りこまれた“茶そば”に近い緑色です。疑っていたわけではありませんが、海苔が練りこまれているのは本当のようです。しかも、ちょっとどころではない量が練りこまれているらしい…と、この麺を見て分かりました。

では作ってみましょう。
麺を袋から出してみると、その麺の細さに驚きます。まるでそうめんのような細さで、気を付けないと折れてしまいそうです。たっぷりのお湯を沸かして麺を入れますが、入れる前に麺を裂きます。

熱湯で2分~2分30秒ゆでます。吹きこぼれにご注意を。

茹でると一層緑が濃くなってきました。見れば見るほど茶そばにしか見えなくなってきましたよ。忘れてはいけません。これは「海苔ラーメン」です。

麺をゆでている間にスープの準備です。スープは別添えです。器に入れて熱湯270ccを注ぎます。

お湯を入れる前のスープの原液。少し磯の香りがしました。何だかこの色、モズクを思わせます。

ゆで上がった麺をスープに入れて出来上がりです。一見、ラーメンではなく蕎麦に見えますね。

明石の海苔が練りこまれた「明石のりラーメン」の味はいかに!?

ラーメンを食べるときは、まずスープを一口いただくことにしています。至福のひとときの始まりです。スープって、作り手の情熱や神髄みたいなものを感じるところなので、大事にしています。

一口食べて「タダの塩じゃない!?」と感じました。塩味と言えば塩味なのですが、普通の塩味とは違います。何だろう…麺を食べるのを忘れて、しばらく首をかしげながらスープばかり飲んでおりました。

そして、わかりました。このスープ、甘味があるのです。塩味なのに甘味がある。甘さを隠し持っていることで、味わい深い塩の味になっているのです。よく見るとパッケージには「淡路島産藻塩使用」と書いてありました。これが藻塩の味なのでしょうか。塩味に甘みが含まれると奥深い味になるとは、発見でした。

「明石のりラーメン」に合うトッピングは?

初めて食べるなら、トッピングなしでそのまま食べても美味しいです。味わい深いスープに満足することでしょう。今回は、途中で海苔を入れてみることにしました。

文句ありません。焼き海苔でも味付け海苔でも、手巻寿司用の海苔でも、どんなに安い海苔でも合います。この味わい深いスープが引き立ててくれます。もういっそ、海苔で蓋するくらいの勢いで入れてみてもいいです。

次に擦り胡麻を入れてみました。

胡麻も合います!塩味なので、野菜系が合いますね。チャーシューや煮卵も合わないことはないでしょうけれど、「明石のりラーメン」はトッピングはあまり入れない食べ方がおすすめです。シンプルに磯の風味を味わいながら食べるのが、いちばんおいしいと感じました。

味わい深い塩味と明石産の海苔が練りこまれた麺が楽しめる「明石のりラーメン」、この冬にぜひいかがでしょうか。身も心も温まりますよ。