香川県高松市在住のたべぷろ編集部員しまだゆうです。香川県では、年越しそばの代わりに、年越しうどんを食べるという話が有名ですが、お正月料理の中にも、他県と少し変わったものが存在します。それが、あん餅雑煮です。一般的に、雑煮といえば何も入っていないお餅を入れますが、香川県の雑煮には餡子が入っています。
以前も「あん餅雑煮」について紹介させていただきましたが、今回はあん餅雑煮の食べ方についてさらに詳しく紹介していきます。

餡子が違えば味も変わる?

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あんこと味噌がまさかのハーモニー…正月以外も食べる香川の「あん餅雑煮」

香川県の郷土料理として有名なあん餅雑煮ですが、郷土料理らしくお店や各家庭によって味が微妙に違います。そして、それは雑煮に入れるあん餅も例外ではありません。

香川県で、あん餅といえば一般的には砂糖餡ですが、中には塩餡を使用するお店や家庭もあるのです。どちらのあん餅雑煮も、それぞれの魅力があり香川県では古くから愛されています。

香川県の東部では砂糖餡を使ったあん餅雑煮。西部では塩あん餅を使ったあん餅雑煮が食べられていることが多くなっています。

香川県では新年を迎えると「あん餅雑煮」の看板を見かけることが多くなります

白味噌は体にいい!?

珍しさばかりが強調されているあん餅雑煮ですが、実は体にもいいということはあまり知られていません。

体にいい理由とされているのが、白味噌です。白味噌には、腸を整える作用があり、アレルギー反応を抑えるといった働きも持っているのです。白味噌スプーン1杯にはヨーグルト100g分の乳酸菌が含まれているともいわれているので、継続的に摂取することで、腸を整えていく役割が期待されます。

また、白味噌に含まれている「GABA」には不眠改善にも役に立つとされています。その他、ストレスを軽減させたり、リラックスをもたらしてくれるのです。さらには、過食を抑える効果もあるといわれているので、ダイエットにも最適なのです。

なにかと美味しい食べ物がたくさんあるお正月。食べ過ぎてしまうこともありますよね。そんな時に強い味方になってくれるのが白味噌なのです。

あん餅雑煮は縁起がいい!?

あん餅雑煮に入っている代表的な具は人参と大根です。そして、古くからこの2つの切り方には暗黙の了解とも呼べるものが存在しています。それが、輪切りです。なぜ、輪切りにして入れるのか?それには以下のような理由があります。

・今年も一年丸く収まりますように
・今年も一年家庭が円満でありますように
・今年も一年○をつけられるような一年になりますように

このような願いが込められて輪切りにされているのです。

古くから地域で食べられている郷土料理には、現代の人が知らなかったり忘れていたりする想いが込められていることが多々あります。

味を楽しむのはもちろんですが、そういった古くからの想いを知ることも大切ではないでしょうか? 料理に込められた想いを知れば、より味を楽しむことができると思います。