息子に伝えたい「いただきます」までの道のり【毎月19日は、食育の日】
毎月19日は食育の日。この日が来るたびにあれこれ考えてみるのですが、食育の実践方法はいくつも見つかるようです。ごはんの作り方に触れたり、食材について考えたり、野菜の育つ様子を見せたり、子ども自身が体験したり、本を読んだり、詳しい方のお話を聞いたり…。今回は食育について、手軽に毎日取り組める、ほんの小さな作戦をご紹介いたします。
「買い物に行くけど、一緒に行く?」から声かけは始まる
どんな方もごはんを用意するとき、けっこういろんなことを考えながら支度をします。その思いを、ちょっとだけ声に出してみるんです。経験を簡単に「共有する」ってことですね。
そばに子どもがいる時に、「おいしい」につながるワードを選んで言葉にしてみるだけ。簡単ですよ。
他にも…
(野菜)旬かな?ぴかぴかだね!きれいな色~
(お魚)おいしそう!今日はこれ、食べるぞ!
(輸入食品)遠くから来たね!外国だよ船かな、飛行機で来たのかな!
自分がどこを見ているのか、何を考えているのかを口に出してみましょう。「ちょっと高いな~」とか「でもやっぱり安心だからこっち!」など、迷うポイント、チョイスの決め手になったこともおしゃべりしちゃいましょう。
お料理中にも大切な思いがたくさん生まれます
この日、セガレの苦手な根菜を3品(大根、にんじん、ごぼう)も使いました。この時点で彼は「なんでだよぅ(泣)」と弱気なことを言っていたのですが、「私に任せて!」と自信満々で返しちゃいました(正確には「オレに任せろ!」って言ったんです笑)。
この根菜3品の炒め煮には、セガレが大好きな豚肉も入れました。軽く炒めてじっくり煮て、お醤油で仕上げた煮物を前に、結局「前言撤回」したセガレ。
苦手な食材のはずなのに、おいしくなる
材料から見せるから、ダイレクトに伝わります。
「料理って、魔法でしょ?」
この言葉は、子どもが食べて「おいしい!」って顔をしたときにどや顔で(笑)。
お料理の「香り」が子どもたちを台所に呼び寄せる
他にも…
(焼き魚)ちゃんと焼けたかな?
(ドレッシング)今日はさっぱり味にしよう
(炊飯器)あとはよろしくお願いします(炊飯器へのスイッチ、オン!のメッセージ笑)
(食材全て)捨てないで取っておけば、次また食べられるからね
火を使いはじめ、お料理が完成に近づくにつれ、おいしそうな、あるいは苦手なにおいにつられて台所に子どもが現れたりしませんか?
「今日、なに?」など会話が自然に生まれるきっかけにもなりますよね。
他にも…
(お味噌汁)ジャガイモ、ちゃんと入ったかな?
(焼き魚)ここは醤油じゃない!レモンだ!!
(お膳)配膳、間違ってないか?
ごはんは命の糧です。栄養さえ摂取できればそれでいい、と言うわけでもありませんよね。だって心への栄養は、栄養学じゃ推し量れない分野です。
食卓への配膳は、ぜひ子どもたちにも手伝ってもらいましょう。「テーブルをきれいにしてから」とか「自分の分だけじゃなくて、みんなの分も!」とか、伝えられることはたくさん見つかります。
食べ物がどこから来るか想像してみよう
未来の世界ではどうか、ちょっとわかりませんが、今のところ私たちが食べる食品には、必ず誰かが携わっています。お米や野菜、果物など作物はもちろん、海や川で勝手に育ったように感じるお魚だって獲ってくれる人がいなくてはこんなに簡単に食べられません。
食品工場では味や品質はもちろん、衛生、価格、デザイン、梱包方法など、様々な配慮を重ねて商品を作っていますし、商品を日本中へ輸送する人たちもいっぱいいます。
もちろん私たち消費者は、対価を支払います。だからこそ心置きなく食べることができるのですが…。
今日のごはんがおいしくいただけるのは、みーんなが誠実にお仕事をした結果なのかも知れないな、って。そして「誠実に」は、食べる私たちにも必要な気持ちなのかも、なんて。
ごはんは、いただくもの。
作物の、お肉やお魚の“いのち”をいただく。携わるみんなの誠実なお仕事をいただく。作ってくれた人、運んでくれた人、ウソをつかず、適正な価格で譲ってくれる人、買って食べる私たち。みーんなが幸せな社会でありますよう。願いをこめて、
今日も いただきます!
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