サプライズなマジパンも!オランダのシントニコラス祭
前回の記事に続きオランダのシントニコラス(シンタクラースとも呼ばれます)のお祝いについてご紹介します。前回はニコラス様のお誕生前夜祭以前のお話でしたが、今回は当日12月5日の祝い方や楽しいお菓子についてご紹介します。
学校では子どもたちのプレゼント交換が
前回の記事はコチラ
おりこうさんにクッキーを配るオランダのシントニコラス祭
オランダの国民的お祝いともいえる、シントニコラス祭り。ニコラス様が子供の神様ということもあり、幼稚園や学校また各種施設などでも大々的にお祝いをします。例えば小学校だと、当日の朝にニコラス様が学校に来られるのを子供たちは沿道で待ち、到着後に講堂で子供達にプレゼントが配られます。
この時、ニコラス様はたくさんの召使ピートを従えて登場するので、子供たちは、ピートからペーパーノートンクッキーをもらいます。すぐに食べる子もいれば、ポケットにしまって、少しずつ吟味する子もいます。これはニコラス様の存在を信じている小学校低学年ぐらいまでの子供達の祝い方。
小学生も中学年以上になるとクラスでプレゼント交換をしますが、実は一筋縄ではいかないのです。
まず、2週間ぐらい前にクラスでくじ引きをして、誰が誰のプレゼントを作るかが決まり、当日までは秘密。くじ引きの際に、名前と本人の希望するプレゼントリストが書かれているので、それに見合ったプレゼントを購入したら、サプライズと呼ばれる工作の中に、プレゼントを隠しプレゼントの包装は終了。
ちなみにプレゼントの中身は、価格(500円前後)さえあえば文房具でも、おしゃれグッズでもよく、もちろん食べ物でも構いません。この時期に、マジパン細工がよく食べられるので、娘の友人からは「マジパン」のリクエストがあったことも。
そしてこのプレゼントに、受取人への詩を作り添付します。この詩には、受取人のエピソードや功績を韻を踏んで作ります。
スペインから家来を従えて来られるニコラス様。寒いオランダでは柑橘類の栽培は不可能です。スペインから来られるニコラス様の到来時には、スペインから持ってこられたからという理由だと思いますが、ミカンを皆さんよく召し上がられます。
ニコラス様=ミカンという構図が、とくに高齢の方々には定着していて、この時期フルーツバスケットの中にミカンが山盛りの家庭も多いですね。
オランダの小学校は、10時のおやつを持参しますが、この時期は、ニコラス様にちなんでミカンを持参する子供達も多くみかけます。
当日の朝、登校時にプレゼントを持参するのもひと苦労。布などをかぶせて、贈り主がわからないようにして教室に並べて、準備完了。
このプレゼントを、詩を読んで順番に開けていくそうです。何しろ、自分の順番以外は、ずっーと座って他の人の詩の朗読を聞き、プレゼントの開封を見守るわけですから、結構時間がかかります。
この時に食べるのが、ペーパーノートンと呼ばれる、スパイスクッキー。飲み物は、ホットチョコレートが定番ですね。学校などでも支給されます。
家庭でも、大人も子どもも大はしゃぎ
そして家庭でも、学校と同じ工作と詩の付いたプレゼントを交換し合います。家庭の場合は、親族が集まりプレゼントと詩が交換されるため大人も子供も大はしゃぎ!
この時も、学校と同じく、一人ずつが詩を朗読してプレゼントを開封するので、非常に時間がかかります。そのため、大人も子供のこの時間にペーパーノートンや、マジパン菓子などを食べながら、順番を待ちます。
そしてこの時に必ずニコラス様からのプレゼントとして大人も子供を配られるのが、イニシャルチョコレート。
このチョコレートは、各自名前のイニシャルに合わせて用意されて配られます。チョコレートの大きさは、50-150g前後が定番。写真の物で130g前後だと思います。これを以前は一晩で食べ切っていた家庭もあるようです。一度に100g以上のチョコレートって。。。
個人的には、バレンタインデーに使えそうなチョコレートだと思っていますが、オランダではこの時期にしか購入できません。
サンタクロースの起源とされるシントニコラス様
ところでこのニコラス様、赤い帽子に赤いマント。子供にプレゼントを配る優しいお人柄。どなたかに似ていませんか?そうです、サンタクロース。
サンタクロースの由来には諸説あるようですが、有力な説の中に18世紀にオランダからの移民がアメリカ東海岸(当時のニューアムステルダム。現在のニューヨーク)へ渡った時に、持ち込んだシントニコラス祭りが英語読みになり、その後様々な移民者の国の文化と混じり合い出来たのがサンタクロースと言われています。
確かに名前といい出で立ちといい似てますよね。オランダが誇る、お祭りの一つです。
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