おりこうさんにクッキーを配るオランダのシントニコラス祭

11月も終盤になり、日本ではそろそろクリスマスのイルミネーションや飾りつけで賑わい始める頃ですね。当地オランダでも、クリスマスは一大イベントです。が、その前にオランダにはクリスマス並みの大イベントが控えています。

泣く子も黙る、ニコラス様

11月の第三土曜日に、スペインからやってくる子供の守り神「Sint.Nicolaas（シントニコラス）」様。ニコラス様は、普段は暖かいスペインにお住まいです。そのため、誕生日前夜祭にわざわざオランダへ来られるのです。

ニコラス様の誕生日は12月6日で、12月5日にオランダで前夜祭を行います。その日に一年間おりこうさんだった子供にだけ、プレゼントと一年の功績をたたえる詩がニコラス様から贈られます。

でも、おりこうじゃなかった子には、プレゼントは無くニコラス様の使いの人達に、スペインへ連れていかれるという恐ろしい罰付きなのです。日ごろはいたずらっ子でも、この時期のオランダの子供達はみんなおりこうさんです。

船が到着すると、召使たちによって港で待ち受けていた子供達にまず配られるのが、Pepernoten(ペーパーノートン）と呼ばれる、スパイスクッキーです。

ペーパーノートンとスペキュラース

このペーパーノートンと呼ばれるクッキーは、小さな丸いクッキー。味は、ジンジャークッキーとほぼ同じだと思って頂ければ、想像が付きやすいと思います。日本だと好き嫌いの両者に分かれますが、オランダ人は大好きです。（ちなみに私は苦手ですが。）

この季節になると、オランダの街角や家庭、商店やスーパーのレジ横など、どこにでもこのクッキーが置いてあり、食べ放題です。このクッキーは小ぶりですが、大きめのSpeculaars（スペキュラース）と呼ばれるクッキーもこの時期に特に好んで食されます。

このスペキュラースと呼ばれるクッキーは、形も大きさもさまざま。写真のようにレリーフ状の物や、大きな四角いブロック状だったり、大型クッキーの中にアーモンドの練り物が入っていたりと、かなりバラエティに富んでいます。

スペキュラース、ペーパーノートンともに、シナモン、カルダモン、ナツメグなどのスパイスをふんだんに使用しているため、香りがとってもスパイシーです。そして忘れてはならないのが、このクッキーを頂く時の温かい飲み物、ホットチョコレート。

その他にも、マジパンを豚や果物に細工して作ったものも、店頭を賑わせます。味の濃いものが多いので、あまり量が食べられないのですが、それでもオランダの大人も子どもも喜んでいただいています。

次回は、前夜祭の夜に頂くお菓子の紹介です。