石川県金沢市のお隣にある河北郡在住の北陸家庭料理研究家・大象みかです。石川県の隣県・福井県大野市の里芋は、石川県のスーパーでも販売されていて人気があります。ホクホクしていて、歯ごたえがあり、煮崩れしないのが特徴です。大野の里芋で煮物を作り、チーズ焼き・マヨネーズ炒めにアレンジしてみます。

普通の里芋との違いは?

福井県大野市は、福井県随一の里芋の生産地です。我が家では30年ほど前、両親が大野市へ行った時に里芋を購入して以来、大野の里芋の大ファンになってしまいました! 石川県でもスーパーで見つけると買うようになりました。

「他の里芋とどう違うの?」と皆さんは思われるかもしれません。普通の里芋は煮崩れしやすく、煮込むと軟らかくなりがちですね。ところが、大野の里芋は煮物にしても煮崩れしにくく、ホクホクとした独特の歯ごたえがあり、色も綺麗なベージュ色を保っています。

大野市は霊峰白山などの1000m級の山々に囲まれていて、名水百選にも選ばれた清らかな水が流れています。日中の寒暖差が大きく、水はけの良い土壌も里芋の生産に向いています。つまり、大野の里芋は、豊かな自然の恵みで作られていると言えます。

里芋は、秋に収穫されます。それで、食べ頃の時期の里芋を煮物にして味わってみようと思い立ちました。また、煮物を作るとつい作り過ぎてしまうことがありますね。そういう時のために、里芋の煮物のチーズ焼きとマヨネーズ炒めのアレンジ法を紹介します。

里芋の煮物のレシピ

<材料 4人分>
・里芋 5~6個
・人参 1/2本
・鶏もも肉 150g
・醤油 大さじ2
・酒 大さじ2
・砂糖 大さじ2
・和風だしの素 小さじ1/2
・水 300cc
・オリーブオイル 小さじ1/2
・塩 大さじ1(里芋の塩もみに使います。)

アレンジ用にチーズとネギも用意しました。

<作り方>
1.まず、里芋の皮をむき、塩もみして水洗いします。2~4等分の乱切りにします。

2.鍋に水をたっぷり入れて、里芋を下茹でします。竹串が軽く刺さるくらいまで、8分ほど中火で茹でます。

3.里芋が茹で上がったら、ざるに上げて、水でぬめりを洗い流します。

4.人参の皮をむき、乱切りにします。竹串が刺さるくらい、6分ほど下茹でします。

5.鶏もも肉を一口大に切り、オリーブオイルを敷いた鍋で、軽く炒めます。

6.5の鍋の中に、茹でた里芋、人参を入れ、醤油、酒、砂糖、和風だしの素、水を入れて、15分ほど煮込みます。アクが出たらこまめに取って捨てましょう。

7.その後、火を止めて、余熱で味が染み込むのを待ちます。里芋の煮物の出来上がりです。

基本の里芋の煮物を味わってみよう!

アツアツの煮物を小鉢によそってみます。大野の里芋はぬめりも少なく、箸でもつかみやすいです。煮崩れせず、色も淡いベージュ色を保ち、艶もあります。

里芋を一口食べてみるとホクホクした食感が楽しめて、里芋の甘さが味わえます。上品な甘みが口いっぱいに広がり、噛むごとに粘りも感じられます。里芋から醤油や酒の風味もしっかり伝わってきます。

里芋には、鶏肉から出るコクもしみ込んでいます。鶏もも肉は脂も乗っていて、煮物にボリュームを加えてくれます。

ホクホクした里芋を食べた後に、ジューシーな鶏肉を食べると食感の違いを楽しめます。人参も優しい甘さがあり、里芋との相性も抜群です。白いご飯と合う料理になりました。

里芋の煮物をチーズ焼きにアレンジ!

一晩経って、残った煮物でアレンジ料理を作ってみます。里芋をフォークなどで潰して、小判型にします。間にチーズを挟んで、片栗粉をつけてフライパンで焼いてみました。

鶏もも肉には、醤油を数滴加えて、同じように片栗粉をつけて焼いてあります。不思議なことに、煮物が洋風の料理に変化しました! チーズを挟むと、里芋の味にさらに深みが増してきました。

お弁当のおかずにも良いですし、ビールのおつまみにも良さそうです。鶏肉も唐揚げのようなサクサク感が出て、子供も喜びそうな料理になりました。チーズの塩気が優しい里芋の甘みと合っています!

里芋のマヨネーズ炒めにしてみよう!

里芋の煮物を半分に切って、マヨネーズで炒めてみました。ネギの小口切りを半分里芋と一緒に炒め、残りの半分は上にかけてあります。マヨネーズの適度な酸味が、里芋の甘みのアクセントになっています。

里芋に少し焦げ目がついて、香ばしさも加わりました。ネギも半分はマヨネーズ味を楽しめて、上に乗せたネギの香りで食が進みます。

大野の里芋を味わってみましょう!

福井県大野市の里芋は、一度食べたら忘れられず、リピーターになる人も多いです。インターネットでも購入できます。

皆さんもぜひ、里芋の煮物を多めに作って、次の日にアレンジを楽しんでみてくださいね。