はじめまして、food-trip CREATIVE WORKS赤羽根祐司です。これからの連載で、“野菜とカレーのおいしい関係”と題して、カレーやスパイスのもつ魅力や美味しい野菜の食べ方について読者の皆さまと一緒に迫っていこうと思います。第1回目の今回は、僕の自己紹介からスタートです。

人生が変わる、インドとカレーとの出会い。

幼い頃からカレーが大好きな僕は、大学卒業旅行でインドのデリーへ行きました。カレーが好き、思う存分カレーを食べたい、そんなシンプルな理由で。しかし、空港を出て徒歩10歩で騙されボッタクリに合いました。早速インドの洗礼を受けた僕の所持金は到着初日で半分になりました。

さらに致命的だったのは、カレー王国で食べるカレーがとにかく口に合いません。絶望的な5日間をデリーの騒音と埃まみれの中で過ごし、二度とインドに来るものかと心に誓いました。

僕に変化が訪れたのは帰国1週間後の事でした。おかしなことにまたインドに行きたくて仕方が無いのです。卒業後、周囲の反対を押し切り、内定を頂いていた会社に出向き辞退を申し出ました。口に合わないカレー、騙されたこと、デリーの空気、全てが僕の中に深く刻まれ,人生は180度変わりました。

僕のカレーライフのスタートでした。

ストリートフード、初めてのインドにて。

日本とインドのカレーはどちらが美味しいの?

僕は、初めてのインド旅で日本のカレーの美味しさを再確認しました。というよりも、インドカレーが本当に口に合わなかったのです。だから僕は決めました。インド人に日本のカレーを食べさせて、美味しいと言わせる旅をすることを。

日本のカレールーをバックパックに詰め込み南インドはケララ州コーチンへ行きました。日本のカレーを食べさせる前に現地のカレーを食べたのです。そしたらびっくり、美味しいんです!ココナッツがたっぷり使われ、辛さも控えめでとても食べやすい。口に合わなかったデリーのカレーとは大違いです。

僕はいったい、なんて愚かなことをしたのでしょうか。地域によって変化するカレーのことを知らずに全てが口に合わないと決め付けていたのです。バックパックに詰め込んだカレーは行き場をなくし、各地を自転車で回りながらインドカレーを教えてもらうこと6ヶ月。僕はすっかりインドカレーの持つ奥深さと美味しさに引き込まれいきました。

量り売りのスパイスマーケットにて。

国や地域によって変化する、カレーっていったい何者だ!?

インドでは、「25マイル(約40キロ)ごとにカレーの味か変わる。」と言われるように、自転車で北上する中で日々変わっていくカレーの味を体感することが出来ました。カレーと聞いて思い浮かべる食べ物は何でしょうか?給食のカレーや家庭のカレーなど、人によってさまざまだと思いますが、その全てに共通していることはスパイスやハーブが数種類使われていて、グレイビー(汁などの水分)がある食べ物だということです。インドで聞いても、だいたいこれと同じような答えが返ってきます。

そこで、 “スパイスを使い、かつグレイビーがある料理”とカレーを定義してみましょう。油を使わないカレーや辛くないカレーもインドには存在します。カレーは重い食べ物だと思っていませんか?連載を続けていく中で、ご自身やご家庭にあうカレーを見つけて頂けたら嬉しいです。