アマゾンジャパンは、東京・銀座に期間限定でバーを開いている。店内には5000本もの酒を展示しており、客の気分に合わせた酒を提案する独自の注文システムを導入。アマゾンでは世界初の試みで、インターネットの総合ショッピングサイト「Amazon.co.jp(アマゾン)」上の豊富な品揃えを体験できる場を創出するとともに、ネット上での酒類売上げ増につなげる狙い。

「リアル(現実)空間で、新しい酒との出合いを楽しんでほしい」(前田宏消費財事業統括本部長バイスプレジデント)。年末の最需要期に向けて、販売を加速させていく考えだ。

同社では、14年から本格的に酒類事業を展開。16年度の売上げは14年比で約2.7倍に成長した一方で、「アマゾンで酒を購入できることを知らない人がまだ多い」(鈴木亘消費財事業本部酒類事業部事業部長)との課題がある。

「アマゾンバー」では29日までの10日間、ウイスキーやビール、ワインなど世界中から取り揃えた珍しい酒を1杯500円から1500円で提供する。

多種多様な品揃えのため、店内にはメニューがない。設置された注文用端末(写真)で「今の気分を一言で言うと」「今したいアクティビティは」などの質問に回答するとお薦め商品が表示される。QR(2次元)コードも発券され、アマゾンの購入ページにリンクできる仕組みだ。

フードにも仕掛けがある。24日に発売した赤ワインと好相性の菓子「ポッキー〈女神のルビー〉」を無料提供することで、「アマゾン上で菓子と酒類の導線を強化したい」(前田氏)狙いもある。

期間中は、日替わりで1日2回イベントを実施。純米大吟醸「獺祭」のセミナー・比較試飲や、テネシーウイスキー「ジャックダニエル」の樽詰め前の原酒試飲などが体験できる。

◇日本食糧新聞の2017年10月27日号の記事を転載しました。