台湾在住たべぷろ編集部員・矢萩奈々です。台湾生活2年目突入、ユニークな台湾の食文化を発信していきます。さて、毎月23日は「天ぷらの日」。もともとは、1年で最も暑いと言われる「大暑の日」を天ぷらの日とし、栄養のある天ぷらを食べて夏を乗り切ろうという意味があったそうですが、そこから派生し今では毎月23日を天ぷらの日と呼ぶようです。天ぷらと言えば、日本を代表する食べ物ですよね。でも、ここ台湾では「てんぷら」と言えば違うものが登場しちゃうんです!

台湾人にとっての「てんぷら」は「ティエンブーラー」!

台湾の街を歩いていると、よく見かける「甜不辣」の文字。「甜不辣」と書いて、ここ台湾では「ティエンブーラー」と発音します。ほとんど日本語の発音と同じですね。でも、この甜不辣、私たち日本人がイメージするあの天ぷらではないんです。

その正体は、日本でもお馴染みの「さつま揚げ」。初めて聞いたときは、ちょっと頭が混乱しました…。この台湾版さつま揚げ・甜不辣は、台湾人も大好き!こちらで暮らしていると、本当に登場率の高い人気の食べ物なんです。台湾食文化の中で、みんなに愛される名脇役といった存在です。

この甜不辣ですが、日本のさつま揚げと比べるとモチモチ感が強くてとっても美味しいんですよ!スーパーや市場で簡単に見つけることができます。日本と同様、形や味はバリエーション豊富。因みに、私が先日スーパーで買ったものは、ガーリック風味でした。

甜不辣の食べ方その1、おでんのように…

それでは、台湾ではこの甜不辣をどのように食べているのか紹介します。

一番ポピュラーな食べ方はこちら。写真のように、日本のおでん屋さんにありそうな大きな鍋で甜不辣が煮込まれています。他にも大根や厚揚げ、肉団子のような物も入っていますよ。注文するときは、大か小かそれだけです。日本のおでんのように好みの具を選ぶということはなく、お店の人がそれぞれまんべんなく器に入れてくれるスタイル。

そして、最後に田楽みそのような甘辛い味噌だれをかけて出来上がり。太めの爪楊枝を刺してくれるので、それを使って食べるのが台湾流です。どこで食べても、何故か箸ではなく爪楊枝かフォークが一緒に出てくるのが不思議です…。

食べる時は、テーブルの上に唐辛子を使った辛いソースが置いてあるので、お好みでそれを付けて食べてもいいですね。ちょっとお腹がすいた時にもちょうどいい、おやつ感覚で食べられる食べ方です。

甜不辣の食べ方その2、揚げてアツアツを

甜不辣は煮て食べるだけじゃなく、揚げて食べてもおいしいんです!
台湾には「鹽酥鶏(シエンスージー)」という、お好みの具材を選びその場で揚げてもらってアツアツを食べる人気のスナックがあります。

ズラリと並ぶこの豊富な具の中にも甜不辣があり、見ていると高確率でチョイスされています。学校帰りの高校生などが、屋台の前でわいわいと具材を選んでいる姿もよく見ます。夜市でもよく見かける、特に若者に人気の食べ方ですね。

注文すると、写真のようにカラリと揚げられた細長い甜不辣に特製スパイスをまぶし、竹串が添えられて渡されます。煮込んだものとはまた違った甜不辣の美味しさがあり、けっこうハイカロリーな食べ方ですが、手が止まらなくなります。

初めてこの揚げ甜不辣を食べた時は、モチモチとした今まで食べたことのない食感に、「なんだこの美味しい食べ物は!?」と驚いた記憶があります。スパイシーな甜不辣はビールのおつまみとしても最高ですよ。

これ以外にも、串焼きして食べたり、家庭では野菜と一緒に炒めて食べたりと、まさに万能選手的存在です。ちなみに、台湾では日本の天ぷらは「天婦羅」と書くそうですよ。台湾の人気スナック甜不辣、是非お試しください。