イオンリテール中四国カンパニーは7月29~30の2日間、イオンスタイル広島府中店で、収穫シーズンを迎える、山口県長門市特産野菜「白オクラ」の販売促進イベントを開催した。「白オクラ(三隅系)」は、山口県長門市三隅地域で60年ほど前から自家消費用として栽培されている、同市の伝統野菜。

山口県内に7系統ある在来のオクラのうち、この「白オクラ(三隅系)」は優良な系統として高く評価されている。一説では、第二次世界大戦後にサイパンに出征していた帰還兵が種を持ち帰り栽培を始め、現在に至っているとのこと。

同品種は、通常のオクラに比べて色が白く、3倍の粘りがあることが特徴で、果肉が厚くシャキシャキした食感から天ぷらやサラダなどのメニューで楽しめる。また、アクが少ないことから湯通しすることなく、生のまま食べられるほか、成長しても食感が軟らかいことからサラダで楽しむこともできる。

ただ一方で、発芽率が低く、オクラの成長のために必要な花落ちを手作業で行わなければならない手間のかかる品種であることや生産者の高齢化など、この「白オクラ(三隅系)」をいかにして後世に伝えていくかが大きな課題となっていた。

そのため、一昨年7月24日に長門市、長門白オクラ部会、長門大津農業協同組合、ながと物産合同会社、イオンリテールは「山口県長門市白オクラ協議会」を設立し「白オクラ」の生産振興や販売、地域振興に取り組み、ブランド化を図るとともに、イオンリテールが展開する日本の優れた食文化の継承を目指す「フードアルチザン(食の匠)」活動と連携した取組みも行っている。

イベントが行われた両日は、「白オクラの未来への継承」を目的としたプロジェクト活動に取り組んでいる山口県立大津緑洋高校日置校舎の生徒たちによる「白オクラの天ぷら」の試食や「白オクラを知っていますか」といったアンケートなどを実施し、「白オクラ(三隅系)」の普及に向け魅力をPRした。

◇日本食糧新聞の2017年8月7日号の記事を転載しました。