秋田県秋田市在住のたべぷろ編集部員・山下雄二です。秋田は私の生まれた場所で、祖父母も一緒に暮らしていたことから秋田の郷土料理や昔の文化と触れることも多かったです。8月8日は発酵食品の日です。この記念日を申請したのは万田酵素でおなじみの万田発酵。もちろん発酵と8のごろ合わせです。今回は発酵食品の日にちなんで秋田名物のいぶりがっこについて、驚くべき食べ方を紹介します。

いぶりがっこって、たくあんと何が違うの?

いぶりがっことは、燻製したたくあんのことです。たくあんといえば大根を漬物にした後、天日で干すため表面にしわがあります。わが家でも冬が近づく頃はたくあんが干されていました。しかし、雪の深い県南部の雄勝野という地域では天日干しができないため囲炉裏の火で大根を干していました。

つまり、いぶりがっこは干す過程で自然と燻製されていったのです。ここで豆知識ですが「がっこ」とは漬物という意味の方言です。大根以外の漬物も「がっこ」と呼ばれています。

しかし、ストーブが普及するにつれ家庭のいぶりがっこは衰退し、その味を懐かしむ声にこたえて漬物屋さんが復活させたのが現在の秋田名物となっています。

本格的ないぶりがっこだけでなくこのような一口サイズも愛されています。

いぶりがっこ初心者にはクリームチーズが鉄板

秋田名物のいぶりがっこですが、苦手な人も少なくありません。私も子どものころはいぶりがっこがとても苦手で、今回テーマに扱ってそのおいしさに気付いたほどです。そのため、県外の方に送るお土産としても迷うことがあります。

しかし、そんないぶりがっこを初心者でもおいしく食べる方法がありました。それがクリームチーズと一緒に食べることです。「え?いぶりがっことクリームチーズって合うの?」と私も思いました。いかにも和風ないぶりがっこにそんな洋風な材料を合わせた商品がこちらです。

ちーずがっこという非常にわかりやすい商品で、その横にもいぶりがっこにチーズをのせたものがありました。やはり、いぶりがっことチーズは良い組み合わせのようです。

しかし、調べてみるといぶりがっことの相性が良いのはクリームチーズなので、私はスライスされているいぶりがっことクリームチーズを別々に買いました。比較のために普通のプロセスチーズも買いました。これなら切る手間も省けますね。

いろいろのせてみました。さらに良いおつまみにもなるらしいので日本酒も用意しています。

早速食べてみました。確かに普通のチーズよりクリームチーズのほうがよく合います。

いぶりがっことチーズの相性は発酵食品同士が味を引き立てるだけではありません。チーズがいぶりがっこの臭さを弱めてくれるのです。特に、ねっとりとして甘みのあるクリームチーズと一緒に食べるといぶりがっこの臭さは消え、うまみが増します。

いぶりがっこを焼いてみました

いぶりがっこは焼いてもにおいが穏やかになるという情報も見られたのでこちらも試してみました。

いぶりがっこを焼いています。チーズをのせたものとそのままのもの。

焼いてみると、確かに冷たいままのものより食べやすかったです。チーズにも熱を通したいならチーズを薄切りにすることをお勧めします。

せっかくなので他の調味料も試してみました。チーズのように臭みを隠してくれるマヨネーズはまあまあでしたが醤油やケチャップは予想通り合わなかったです。こんな風にいろいろな食べ方を試しておいしいものに出会えるとうれしいものです。

余談ですが、こんな惣菜パンも見つけました。意外とおいしかったです。