老舗洋食店の「グリルにんじん」(京都市左京区)は、人気メニューのレトルト化で販路拡大に成功している。「日本独自の料理として発展してきた洋食文化を広めたい」という思いの下、こだわりの製法で作るビーフシチューや地場農産物を生かしたスープを販売。近藤太地オーナーシェフは「洋食は日本が誇る食文化の一つ。日本の魅力的な食文化として海外にも発信していきたい」と輸出事業に対する意気込みも語る。

商品ラインアップは「京都洋食屋さんのビーフシチュー」=写真、「同タンシチュー」「同にんじんスープ」の3種類。「特に人気なのが、創業時から作り続けるビーフシチュー。3日かけて作るデミグラスソースの濃厚な味わいや、特注オーブンで煮込む牛肉の軟らかさにこだわり、店舗で提供する料理と遜色ない仕上がりにした」と説明。

パッケージは京都を中心に活躍する絵描きユニット「だるま商店」に依頼し、「京都のイメージが伝わりやすいよう舞妓や祇園祭などを組み合わせたデザインにした。国内の既存取引先では、インバウンド用の京都土産としても好評だ。ビジュアル要素が購入判断になりやすいネットスーパーでも評判がいい」と成果を話す。

輸出事業は2022年から開始。「豚肉や牛肉などは宗教上の理由で受け入れられないこともあるため、地場野菜を活用した商品開発などを進めている」とし、現在は京都産すりおろしニンジンで作るポタージュをシンガポールで販売する。洋食文化価値拡大に向け、引き続き商品開発を進めていく。

◇日本食糧新聞の2023年4月28日号の記事を転載しました。