東京・神田のラム肉料理酒場「ラムゴロー」は、バラエティー豊かなラム肉料理を揃えて20~30代の女性を中心に人気の店。ラム串、ラムチョップ、ラムレバー刺しなどメニューの半分超をラム肉料理が占め、専門性の高さを打ち出している。同店が最初に提供するお通しに活用している名脇役が、羊の形を模した「もなか」皮だ。

羊のかわいいビジュアルをアピールできる上に、和菓子の材料を使ったお通しという意外性が女性客のハートをつかんで、SNS投稿のきっかけにもなっている。

「ラム肉専門店を印象づけるお通しを出したいと考え、羊を視覚的に表現できる食材を探していたところ、羊形のもなか皮を見つけたのです」と経営するスマイルリンクル市川知治COOは語る。

もなかの中身
中身は羊乳のチーズにコショウなどを配合

中には羊乳のチーズをコショウなどで調味したペーストがたっぷり詰まっていて、酒のつまみとして最適だ。見た目では甘いものを連想してしまうところに、塩味の利いた味わいのギャップが心憎い。もなか皮がクラッカーの代わりを果たしている。

SNS集客につながる意外な名脇役がもう一つ。店の外から2階の窓をのぞき込んでいる羊のオブジェだ。「通行人が面白がって投稿した写真を見たことがきっかけで来店したというお客さまが結構いるんです」と市川さんは顔をほころばせる。

どちらも羊の「かわいい」キャラクターを巧みに生かし、成功している。

お店のオブジェ
2階の窓をのぞき込む羊のオブジェが通行人の注目を集める

●店舗情報
「ラムゴロー」
所在地=東京都千代田区鍛冶町1-3-7 SWビル1・2階

◇外食レストラン新聞の2022年10月号の記事を転載しました。