そばは日本の伝統食であるがゆえに、メニュー展開がコンサバになりがちだが、そんな壁をブレークするメニューがここ数年、注目を集めている。過去に外食レストラン新聞でご紹介した「つけ坦々蕎麦」や「フォアグラエスプーマもり」などが、その一例。そして、そば=和食という固定観念を軽やかに飛び越えた新発想のそばメニューが、また一つ誕生した。それが、「ソバリストランテナール」の「蕎麦マルゲリータ」だ。

イタリアの国旗に見せる演出

「ソバリストランテナール」の店主の山崎祥平氏は、生粋のそば職人。新宿区神楽坂で本格手打ちそばの店も経営している。その山崎店主が「女性や若い男性に、もっとそばを食べてほしい」との思いでメニュー展開しているのが同店だ。

その中でもキラリと光るのが、「蕎麦マルゲリータ バジルと赤ピーマンの蕎麦~チーズをのせて~」。“マルゲリータ”といえば、トマト、バジル、モッツァレラチーズのピザ。「蕎麦マルゲリータ」は、それをそばで見事に再現している。

赤ピーマンとバジルの野菜パウダーをそば粉に混ぜることで、トマトの赤とバジルの緑をそばで表現し、さらにパルメジャーノチーズをプラス。マルゲリータ・カラーを表すとともに、イタリアの国旗に見せるという演出だ。

最初はそのまま、次にパルメジャーノチーズを混ぜて、最後にそばつゆをかけて、三つの違った味わいで楽しめる

「飲む美容液」エキストラバージンオリーブオイルを

もちろん、このメニューは色合いだけがウリではない。ゆで上がったそばにエキストラバージン(EXV)オリーブオイルを絡めることで、そば粉、野菜パウダー、チーズを融合させて、イタリアンテーストに仕上げている。

バジルパウダーを混ぜたそばには、スペイン産オリーブオイルにヒマラヤ岩塩、石垣島の島こしょう、国内産のサンショウを加えたオリーブオイルを、赤ピーマンパウダーのそばにはギリシャ産のオリーブオイルと塩を絡める。これで一気に、日本のそばとイタリアンが一体となったメニューが誕生する。

「オリーブの実を搾るだけの非加熱で作られたEXVオリーブオイルは、飲む美容液といえるほど美容にも、健康にもいい。そばはビタミンBやミネラルが豊富で栄養価が高い。『蕎麦マルゲリータ』は、そこにさらに有機野菜を添えているので、トリプルで体にいいメニューなんです」と山崎店主。

パスタやピザよりも低カロリーで、その上、健康や美容にもいいとなれば、老若男女を引き付けるキラーメニューとして見逃せない。

テラス席もありカフェのような店内/そばは店内で手打ちする

<店舗情報>
「ソバリストランテナール」
所在地=東京都中央区銀座1-19-8 銀座サクラビル1階
開業=2014年1月
営業時間=月~金 午前11時30分~午後1時30分(LO)、5時30分~9時30分(LO)、土 午前11時30分~午後8時30分(LO)日曜、第4土曜日定休
坪数・席数=14坪・20席
1日平均客数=60~70人
平均客単価=昼900~1200円、夜3000~5000円

◇外食レストラン新聞の2017年8月7日号の記事を転載しました。