オーガニックフォーラムジャパンは7月29、30の両日、東京国際フォーラムで「オーガニックライフスタイルエキスポ2017」を開催し、食品、アパレル、コスメティック、美容、雑貨、インテリア、エネルギーに至る多様な分野の商品、サービスを一堂に紹介する。

同イベントは、新たな段階に進むオーガニックの世界観「オーガニック3.0」をテーマに正しい知識の啓蒙と業界関係者、一般消費者とのコミュニケーションを図る展示商談会。一般公開前日の28日には東京国際フォーラムガラス棟に業界関係者を招き、今回の注目商品、見どころなどを紹介するバイヤーズミーティングを開催する予定。

地球温暖化による気候変動が常態化する中で、オーガニック食品やエシカル(倫理観・道徳観のある)消費が世界的に注目されている。先日もネット通販大手のアマゾンが、オーガニック食品の高級チェーン、ホールフーズ・マーケットの買収を発表し、業界関係者を驚かせた。

オーガニックフォーラムジャパン徳江倫明会長に聞く

オーガニックフォーラムジャパンの徳江倫明会長は、今回の「オーガニックライフスタイルエキスポ2017」について次のように語った。

「EU諸国はオーガニック先進国」というイメージが強いが、実は日本も2000年に有機JAS規格を定め着々と生産量をアップしてきた。しかし、11年の東日本大震災と東京電力福島原子力発電所の事故で大きなダメージを受け、オーガニックどころではなくなってしまった。

欧州でも、チェルノブイリ原発事故やBSE(狂牛病)の発生時に同様の実例が存在する。ドイツではBSEの発生以降10年で、食肉消費が9割減となり急速に菜食主義者が増加した。

震災から6年が経過し、国内の有機農産物やオーガニック消費が震災前の状況まで回復してきた。今、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会の開催を契機として、食の流通・消費も大きく変わろうとしている。

アニマルウェルフェア(動物福祉)やMSC(海洋管理協議会)などへの理解もこれまで以上に広がると期待している。

都市圏には意識の高い消費者が多く、黙っていてもオーガニック商品のニーズは伸びていくと予想する。注目したいのは個性的な品ぞろえで差別化をすすめる地方スーパーだ。積極的にオーガニック商品の取り扱いをすすめるため、相談にみえる企業が多くなっている。

「オーガニックライフスタイルエキスポ」はその名の通り、食品だけでなく、衣料品、化粧品など、生活全般に関わるオーガニック商品・サービスの総合展だ。これまでの例を見ても、化粧品や衣料品でオーガニックを知り、その後、食品も生活に取り入れるパターンが多い。多くの方々に、この展示会でオーガニックの広い世界に触れていただきたい。

オーガニックライフスタイルEXPO ▽開催日=7月28日(金)バイヤーズミーティング、シンポジウム7月29日(土)30日(日)EXPO展示商談会▽会場=東京国際フォーラム▽予想来場者数=3万人

◇日本食糧新聞の2017年6月26日号の記事を転載しました。