イオンリテールは、節分の恵方巻で予約販売を強化する。予約対象を昨年の16品からほぼ全品の30品に拡大、売上構成比を16%から35%に引き上げる。予約比率を上げて当日の作り込みの精度を高め、業務の効率化や食品ロスの削減につなげる。利用客には、より出来たてを購入できるメリットを提供する。

予約比率を上げるため、従来は店頭販売だけだったハーフサイズを予約のラインアップに加えた。予約開始を昨年より2週間早めて12月13日から受け付け、新たに1月10日までの早期予約で全品5%引きとする。また、19年は一部店舗で行った事前の試食イベントを全店に広げ、来年1月上旬に実施する。

デリカ商品部企画グループ担当の鈴木雅光部長は「予約が増えることで当日販売の不確定要素を減らせる。予約の売れ行きを見て当日のスタッフや原材料の手当てもできる。店内製造で売れ行きを見ながら作れるため、恵方巻の廃棄ロスが通常の惣菜と比べ高いわけではない。ただ、より精度を高めることで廃棄ロスを昨年の半分に抑えたい」と言う。

予約販売の拡大には平日対策もある。19年は日曜日だったが、20年は月曜になる。前回、同じ曜日まわりになった14年は、13年比で当日の客数が18%減に落ち込んだ。

「ハーフサイズを予約商品に加えることで、購入客層は広がるだろう。曜日まわりの影響は大きいが、数量を伸ばすことで前年実績に近づけたい」(鈴木部長)

2月の節分はスーパーが1年で最も寿司を販売する日で、平日対策は各社共通の課題になる。イオンリテールは予約の拡大による精度の向上で、利益確保とロス削減を図る。

◇日本食糧新聞の2019年12月18日号の記事を転載しました。