フード&テーブルスタイリストの渡辺有子です。スマホ写真を上手に使いこなして、料理をより魅力的でおいしそうに見せるための大切なポイントとコツを連載しています。第3回は料理写真の「明るさ」を意識することで、スマホ写真でもおいしそうに見せるコツとポイントをご紹介します。

料理をスマホで撮る基本は「明るく」

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【スマホ料理撮影術】写真の主役を決めよう!おいしそうに見えるフォーカスポイントをプロが伝授

料理の写真は明るくて、食材の彩りがよく分かるように撮影するとおいしそうに見えます。

広告やイメージ写真では、暗めの背景の印象的な料理写真もたくさんありますが、それらは意図的に光の加減を計算した高い技術の美しい料理写真です。

レシピを紹介する際や、コラムを執筆するなかで料理写真を使用する際なら、分かりやすくおいしそうに見える明るい写真を、まずは目指すことをおすすめします。

<NG例>蛍光灯の真下で撮ると影が…

スマホで写真を撮ると、意図せず暗い部分があったりハイライトがやけに明るく光ったりすることがあってなんだかおいしそうに見えない、ということがあります。

以前のコラムでスマホでは真上からの俯瞰写真がおすすめとご紹介しましたが、明るい写真を撮ろうと蛍光灯の真下で俯瞰写真を撮影すると、スマホや自分の体が影を作ってしまい、料理が暗く写ってしまうことがあります。

上の写真は、そうめんに合うサクサクおかずメニューをご紹介した際の春巻きですが、蛍光灯の光があたるところで真上から撮影すると、右側に影ができてしまいました。

上の写真も蛍光灯の真下で撮影した、たらこトーストです。白いお皿や牛乳が光ってしまう一方で右下の方が暗くて、いまいちパッとしない1枚になってしまいました。

<NG例>夜の撮影でもフラッシュは避けましょう

もう1つ、スマホで料理写真を撮る際に避けたほうがよい点が、フラッシュ撮影です。

部屋の明るさが足りないときや夜に料理写真を撮る際、明るく写すためにフラッシュを使っていませんか。
上の写真はお子さんと作るトーストアレンジのコラムでご紹介した照り焼きトーストです。

少し明るさの足りない場所でフラッシュを使ったところ、正面から強い光が当たって、立体感のない写真になってしまいました。これでは「おいしそう!」とは感じられません。

<プロの技>料理写真は自然光がおすすめ

料理写真で明るくおいしそうな写真を撮るには自然光を活用することが何よりの近道です。自然光とは太陽の光のことで、撮影は窓辺で行います。

ダイニングやキッチンではないところでの撮影は少し違和感があるかもしれませんが、おいしそうに見える光がダイニングテーブルに差し込まない環境なら料理を持って移動してしまいましょう!

私は写真のように小さなテーブルを窓辺近くにセットして撮影をしています。直射日光が当たる必要はなく、カーテン越しに外の光が入るくらいで大丈夫です。

上の写真はこの環境でスマホで撮影しました。全体的に自然な明るさでおいしそうな1枚になりました。

<プロの技>自然光を使って逆光で撮影すれば明るく撮れる

自然光を活かすには、料理の後ろから光があたるよう、逆光に料理を配置して撮影します。

また手前に白い紙を立てることで、自然光が反射して料理の手前側も明るくする効果があります。画用紙や紙箱の中に入っているような白いボール紙などでも大丈夫です。

曇りの日や室内が暗めのでも自然光があたる窓辺ならフラッシュや蛍光灯の点灯はせずに撮ってみましょう。

<プロの技>スマホアプリも上手に活用!夜の撮影でもきれいな料理写真に

自然光がない夜の撮影の場合、明るさが足りませんが、そんなときはアプリを活用するのもありです。

おすすめは、「Foodie」という料理写真をおいしく見せてくれるアプリです。Foodieは、さまざまなパターンの色味をフィルタで選べて、簡単に写真をグレードアップできると人気のアプリです。

フワッと柔らかい雰囲気やパキッとした発色など、希望に近い明るさや色味のものを選んで撮影してみましょう。

上の写真は最初にご紹介した春巻きをFoodieのフィルター「BQ1」に設定して撮影しました。

蛍光灯がやや斜めから当たる位置にずらし、食器も料理が明るく見えて余計な反射をしない艶無しの白い食器に盛り付けを変えて、準備をしました。

フラッシュは使わず、アプリで撮影すれば夜でもおいしそうな1枚になりました。

自然光&アプリ活用の明るい写真で料理をおいしく見せよう!

第3回目は、料理を明るく見せるためのスマホ写真の撮り方のポイントをご紹介しました。

真上からの俯瞰写真の際には影が入らないように気をつけること、またフラッシュで光を取り込むのではなく、自然光を活用することで自然で明るい料理写真を撮ることができます。

また、自然光がない夜に撮影する際には、アプリを上手に活用して希望に近い色味や明るさを探すのも良いですね。

ご紹介したアプリのほかにも、さまざまな加工ができる写真アプリが充実しているようですので、使いやすいものを見つけてみてください。

自然な明るさを意識して撮影することを心がければ、スマホでも大丈夫! おいしそうな料理写真が撮れますので、ぜひ試してみてはいかがでしょうか。