お弁当用の梅干しを子どもと手作りしよう!
元祖農業ガール藤野いち子です。梅干し用の梅が出回る季節ですね。お弁当やおにぎりに欠かせない梅干しは、スーパーで買うという方が多いでしょう。でも子どもたちが手作りの梅干しのおいしさを知らないのは少し残念な気がします。今年は子どもと一緒に梅干し作りにチャレンジしてみませんか。
梅干しに向いた梅は黄色く熟したもの
近所の梅畑では、早春に可憐な梅の花を楽しめて、初夏になるとたわわに実がなります。6月に入ると梅農家の皆さんは、収穫作業に大忙しです。最初に小梅が出荷され、大きな梅はあとから出てきます。
好みにもよりますが、子どものお弁当やおにぎりに入れるなら、小梅が便利のように私は思います。やわらかい梅干しにしたいので、なるべく黄色の梅を選ぶといいですね。青みの残った梅でもザルなどに広げてちょっと置いておけば、追熟によって黄色くなりますよ。キズの少ないきれいな梅を選びましょう。
黄色の梅は本当によい香りがするので、親子でちょっと幸せな気分にひたれることでしょう。あまりにおいしそうで食べたくなるかもしれませんが、生の梅には「青酸」という有害な成分が含まれていますので、絶対に生で食べないでくださいね。
簡単!チャックつき保存袋を使った梅干し作り
今回は小梅を使って梅干しを作ります。市販の梅はだいたい袋に1kg入っていることが多いです。小梅は1個5g~6g程度なので、1袋につき160~200個程度入っていることでしょう。毎日梅干しを1個ずつ消費したら半年ほどもつかもしれません。おうちの消費量を考えて、何kg作るか決めてくださいね。
1:青梅を追熟させる
今回、藤野が購入した小梅は若干青かったので2~3日置きました。そうしたら黄色くなりましたよ。
写真左側が少し置いた小梅です。右側は購入したばかりの小梅なのでまだ青いですね。
2:へたをとる
黄色くなったら作業開始です。まず、梅のヘタをつまようじなどで取ります。お子さんに手伝ってもらうといいですね。なお、本当に時間がないときにはこの作業はしなくても梅干しは作れます。
ヘタを取るときに傷んでいる梅があったらのけてくださいね。さあ、梅を洗って水気を取ります。
3:梅の20%の粗塩を加える
小梅をチャックつき保存袋に入れて重さを量り、その重さの20%の粗塩を入れます。例えば、1kgの小梅でしたら入れるのは200gの粗塩です。
入れたらよく混ぜて空気を抜きます。あとは常温で置いておくのですが、1日に数回振って塩と梅がよく混ざるようにしてください。うまくいけば1~2日で梅酢が出てきます。
梅酢が出たら、できるだけ梅が梅酢の中にひたるようにして、空気を抜いてください。
白梅干しを作る場合は、このまま冷暗所などで保存して、土用干しのできる梅雨明けを待ちます。ねっ、簡単でしょう?
赤い梅干しを作りたい場合は赤しそを入れましょう
「赤い梅干しにしたい」という場合はスーパーなどで赤しそを入手してください。赤しその出回る時期は短いので、見かけたらすぐ買ったほうがいいですよ。
赤しそは葉っぱのみ使用します。葉をすべて取ったら、ボウルなどに入れて少量の塩でもみます。
一生懸命もみこんでいるとだんだん小さくなり、最後にぎゅっと絞ると紫色の汁(アク)が出ます。この汁は捨ててくださいね。
紫色の汁を捨て、赤しその葉に梅干し作りのときに出てきた梅酢を注ぎます。すると面白いことが!
先ほどまで紫色だったのに、鮮やかなピンクに発色しました。まるで理科の実験のよう。リトマス紙を使って酸性・アルカリ性のチェックをするとき、紫色の天然色素が酸性ではピンク色に変わったことを覚えているでしょうか。この作業も、お子さんと一緒にやると楽しくできますね!
梅酢と赤しその葉をよくなじませてから、梅の袋に入れてください。あとは袋の空気を抜いて、梅が梅酢の中にひたるようにしたまま梅雨明けまで保存します。
梅雨が明けて良い天気が続くようになったら、土用干し!
3日3晩、真夏の太陽の光に当てることで、梅干しがさらに味わい深くなります。
梅と塩だけで作った梅干しは酸っぱくてしょっぱいものですが、甘味料や着色料などをまったく使っていない、昔ながらの味わいを楽しむことができるでしょう。
そして、生では食べられない梅を塩漬けにすることで食べられるようにする、昔の人の知恵にあらためて驚くとともに、梅干しを入れることでお弁当などを傷みにくくする効果もあるなどくらしの知恵も学ぶことができますね。
ぜひこの季節、子どもと一緒に梅干し作りを楽しんでくださいね!いろいろな発見があることでしょう。
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