帰宅前のちょい飲みに!気軽に寄り道できるチェーン店2選
ランチや軽食店が「酒場」を名乗り、ちょい飲みに参入する例も増えている。こうした店はディナーの時間帯に弱い傾向があり、“夜の活性化”を課題としてきた店も多いはずだ。この課題を「夕方早めのちょい飲み」需要を狙う戦略で解決し、さらに、これまでとは違う客層の取り込みにも成功しているのがこの2店だ。
【なか卯 西新宿店】食券方式なので予算を決めたら散財なし!
夜はクローズしていた2階席を有効活用すべく、なか卯では17時~翌2時まで「呑み卯」として、アルコールドリンクと安価なおつまみメニューの提供を14年11月から始めた。呑み卯は開始直後から好調で、西新宿店の例では売上げは8~10%増に。同店を昼間利用しているお客が、「なじみの飲み屋」感覚で、夜も立ち寄る例が目立つという。
決まった曜日の夜、自宅に帰る前に習慣的に訪れ、ドリンク1杯、料理1品だけを楽しむ常連客も多く、「なか卯」取締役・須田壮一氏は、「昼夜のどちらもリーズナブルに利用できる“昼もワンコイン、夜もワンコイン”の店として認知されているようです」と明かす。
なか卯は券売機方式だが、この点もお客にとっては利用しやすさにつながっている。「注文ごとに食券を買うので、予算を決めたらその枠で飲め、思わぬ散財をすることがありません。『毎週でも気軽に利用できてありがたい』という声をよくいただきます」(須田氏)。
呑み卯のメニューは、通常メニューとは別に設けており、アルコールは生ビール、レモンサワー、角ハイボール、グレープフルーツサワーの4品。料理は、「枝豆」「フライドポテト」「旨味唐あげ」「ポテトサラダ」の190円メニューと、「牛すじ煮込み」「ピリ辛手羽」「炭火焼き鳥」「牛皿」の280円メニューがある。
もちろん通常メニューも注文できることから、軽く飲み、ちょっとだけツマみたいお客から、酒を飲みながらお腹もしっかり満たしたいお客まで、ニーズに合った幅広い楽しみ方ができるのも魅力だ。
「なか卯 西新宿店」
住所:東京都新宿区西新宿6-10-2
営業時間:24時間営業/無休
席数:56席
ちょい飲み平均客単価:500円
【築地銀だこハイボール酒場 新橋店】「たこ焼屋で一杯」の誘い文句
お客の行列がすっかりおなじみの光景になっている「築地銀だこ」がサントリーとコラボし、たこ焼とハイボールのコンビを打ち出したちょい飲み店を、2008年から展開している。1号店は東京・新宿歌舞伎町の路面店で、新橋店は3号店だ。
「うちのたこ焼は表面が香ばしくクリスピーなので、ハイボールとは抜群に合います」と、同店を運営するホットランドの広報・丸山美嘉氏は熱く語る。
もともと「築地銀だこ」はショッピングセンターや駅構内などを中心に展開しており、主に主婦やファミリーに親しまれてきた。そのファン層をさらに広げるべく、男性やオフィスワーカーに向けてハイボールとコンビを組ませ、路面店や繁華街の立地で出店したのだが、オープン当初から評判は上々。
「たこ焼をつまみに飲む」という提案は、どこか新鮮な魅力があり、味の面でもアルコールとの相性は申し分ない。「みなさん、グイグイと2杯以上は飲んでいかれますね(笑)」と、同店の林達也店長は言う。来店客の100人中100人がたこ焼を注文するそうで、「たこ焼はお腹も満たされるし、食べやすい。複数人で注文してシェアしやすいのも、好評の理由では」(丸山氏)として、同店のちょい飲み店の魅力について、次のように続けた。
「『居酒屋に飲みに行こう』と誘われると、相手によっては気が張るが、『たこ焼屋に飲みに行こう』と言われると何となく誘いに乗りやすい、との声をいただいています。たこ焼屋で軽く飲む、というのはどこか気楽で楽しげで、誰に誘われてもつい乗ってしまいたくなる魅力があるのではないでしょうか(笑)」。
「築地銀だこハイボール酒場 新橋店」
住所:東京都港区新橋1-15-9 大塚ビル1階
営業時間:11:30~14:00、16:00~25:00、土・日・祝12:00~21:00/無休
席数:(立ち飲み収容人数)50人
ちょい飲み平均客単価:2,500円
◇外食レストラン新聞の2018年3月5日号の記事を転載しました。
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